第6話 万俵家の崩壊

ベアリング社が合併により飲み込まれ、新規に獲得していた
契約は白紙。その煽りを喰らって下落する株価の補填を行う
ために鉄平は父親に追加融資を願い出る。

父親の経営者としての資質と息子のそれを見比べてみた場合、
最も違うのは、企業を守るために如何に非情になれるのかという
点だ。これまでにも従業員の死を利用して社員を統率したり、
閨閥によって得た"駒"をあっさりと見限り、企業のために
その身を捧げて来た彼が、今回最も身内である息子の会社にまで
手を掛けるという驚くべき手法を披露した。

サプライズ続きの彼の豪腕的経営戦略であるが、そこには大事な
ものが抜け落ちていることが分かる展開だ。いや正確に言えば
今後それを実感していく展開なのかも知れない。

木村拓哉周りのエピソードは、父親と対比すべく手法によって
会社や社員を統率する方法を描いた話しであり、数話前
に描かれた父親の部下に対する強引な扱いに対するアンサー的な
内容である。

社員という存在を決して一つの駒などには扱わず、情を以て
接する彼のやり方に、上手い形で社員が彼の後をついてきた事を
証明する感動的な話しでも有った。

企業が生き残る為と言う大儀のみで動き、これまでにも散々人の
尊厳を踏みにじるやり方で会社を経営してきた人と、理念や理想
そして信念が備わった彼のやり方の違いが、この先どんな形で
現れてくるのか。

弟の銀平はもっと冷めた人間だと思っていたので、父親の非道な
やり方を見ても無関心を貫き通すかと思っていたが、かなり衝撃
を受けていたようなので逆に驚きました。

今回、祖父の語り口で公家の肌の良さを説いていた事を見ると、
母親は祖父によって寝取られた事になるのかな。しかも当時の
妾である鶴田志乃まで関係が及んでいるとすると、父親の妻妾
同衾的概念は、祖父譲りという事になり、結局この争いも
実に幼稚なものが発端で動いている事になる。そう思うとこの
争いにはどちらも肩入れしたくなるようなキャラクターでは無い
よね。

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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