第7話 悲劇の高炉爆発 |
帝国製鉄との銑鉄供給の契約が終わるまでに、なんとか高炉建設
の完成に有り付きたい阪神特殊製鋼。完成の目処が立ち安心して
いるところで連日の突貫工事が祟り、高炉は爆発炎上する。
段々と話しが佳境に入り、互いの意図と感情がむき出しになって
きた。
特に父親の息子・鉄平に対する心情の吐露は、分かっていたこと
とは言え、実際に語られるなるとちょっとドキっとする。
表面的には円満な関係に思えた父親と息子の関係もついに終止符
が打たれた格好だ。
冒頭から全てが順調に進みすぎた鉄平の物語は、高炉事故によって
急転直下。暗い顔をしていた父親がここぞとばかりに躍り出てくる。
実にドラマの定石らしい流れだった。
祖父の被害者でもある鉄平と美佐子の関係もドラマをよく見ていた
人ならば予見できる事実。この二人が今後どんな形で物語に係わ
っていくのかの方がドラマとしては興味深い。
大同銀行の日銀・天下り派の三雲祥一と生え抜き派の綿貫千太郎の
対立も予め予見されていた事。どんな格好で対立が表面化される
のかだけがドラマの興味であったが、今回の件で全てが表面化され
ドラマとして種明かしされた。
ドラマで起こる対立関係の全てがこの親子関係に引きずられるよう
にしてあぶり出され、ドラマとしては盛り上がるはずなのだが、
ドラマの中でのヒントが多すぎて、サプライズ的な演出が無い
ところがちょっとドラマとしてのインパクトに欠ける点だと思う。
二子も万俵家として宿命からは逃れられず、万俵家の中で最も
信頼している兄のためにその身を犠牲にしようとしている事実
ばかりがドラマでは印象に残った。
ドラマとしては高炉建設の爆発は偶然ではなく父親・大介の手に
よるものとして描かれていた方が感情移入しやすく面白いかな
と思う。で、実際は関与しているのか!?
評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)