第9話 最期の父子対決

ついに法廷で真相を追求する事になった。
経理借入表を武器に父親の意見を切り崩しに掛かる鉄平だが、
寧ろ逆効果で大同銀行の責任、そして経営者としての責任を
問われ、反論に行き詰まってしまう。

法廷ドラマと言うことでやりとりの中で矛盾点を突き合う
展開になるわけだが、どうも展開の中に意外性が無く、
全ては真実を知る者に懇願し、告白してください的展開に
なってしまった。

既に西村雅彦の証言が重要な事は分かっていたことだし、
表面的には彼の証言だけが展開を打開できるものだという
事は誰もが分かっていたので、寧ろこの方策以外の展開での
切り崩しに期待していたが、ドラマでは厚みが無く一本調子
になってしまった感がある。

勿論西村雅彦に仲間意識を認識させ、鉄鋼マンとしてのプラ
イドを呼び覚ます展開も悪くはない。
夢や企業の志しの為に決して仲間を見捨てるようなやり方を
して来なかったという鉄平の信念は父親のそれとは正反対で
対比されてきたものであるので、重要な場面でそのカードを
使うのはドラマとしては常套句。ただ今回の様な解決だと
すると、どうしても裁判自体が他人任せで回っている感じが
してしまうところがややマイナス点か。

来週は90分拡大版。
出来ればこのドラマも「白い巨塔」と同じく2部構成にして
続編では鉄平の活躍に期待したかったところだが、なんだか
自殺しそうな感じ。「演歌の女王」も寒い土地で息絶えそうな
方向に向かっているので、なんだかカブリそうですね。

guest
浅野和之

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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