第3話 情けなくて涙が出る |
八年間勤めた会社を辞める。退職金は僅か25万程度で仕事の
引き継ぎも僅か1日で済んでしまうことに、改めてその程度の
仕事しかしていなかったを実感する。
とても損な性格をしている人間が居る。
要領よく生きればこんな苦労を背負うこともない。
相談は受けるが、いざ相談しようとすると頼れる相手が居ない。
自分のことで精一杯なのに、頼られるばかりの女性。
自分には身に付けているモノが無いと分かっているのに
プライドが許さず後先考えずに仕事を辞めてしまう。
そんな女性・早坂萌の悩み多き人生を描いた話しだった。
大抵は今の安定した環境を手放したくなくてしがみつくものだと
思うが、決断力のある彼女は特別な人間なのだろうか。
そんな彼女も心の中では自分と同じ悩みを持つ人の存在を
有る意味では望んでいるのかも知れない。
30歳という年齢。
僅か29歳から1年経っただけで世間での扱いの違いに驚く。
30代から40代の跨ぎにはそんな格差は無いような気がするが、
やはり日本にとって、この年代には特別な何かが存在しているか。
周りでは何かに責任をなすりつけようとする人間ばかりが居る
中で、彼女は自分の責任の下で生きている気がする。自立した
女性の興味深い物語だけど、やっぱりそんな女性も浮世離れ
してしまう事に恐怖を感じて生きている。
会社を辞めて自由を手にした彼女だけど、やることが無いのと
自由は違うといった言葉の意味はよく分かる気がした。
永井大の事を30年前の三田村邦彦と表現していたのが面白かった。
そういえば最近三田村邦彦がドラマに出ているのを見ないな。
guest
金子昇、中山恵、杉村蝉之介、蒲生純一、荒川智大
評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)