大手化粧品会社・美生化粧品に勤める父親・川原恭一郎は
しがないサラリーマンであるが、家族と娘についてはこれ
以上に無いほど愛情を持っていた。しかし不器用な性格故に
娘とのコミュニケーションが取れず、おまけに思春期の娘は
父親の存在をウザく感じている。そんな二人が有るとき突然
心と体が入れ替わってしまう。

物語云々よりも、第1話は二人のリアクションだけでお腹いっ
ぱいになれる程の要素を含んでいた。
新垣結衣の色んな表情だけでご飯は三杯食べれるだろうし、
セーラー服姿だけで十分に昇天できる程の存在だ。
硬派な舘ひろしに女役を演じさせる事への好奇心とサディス
ティックな一面が顔を覗かせ、実に興味深い内容となっている。

さて肝心の内容だが、斬新さは正直無いと思う。
物語は近くて遠い存在となっている親子関係を最終的には修復
させるものとなるだろうし、互いの生活の中で当人達には気が
つかなかった事を、入れ替わったキャラクターの違った視点
によって語られる事により、事態は解決に導くものとなるの
だろう。

そんなドラマの展開を通して、お互いの中で必要なものが何な
のかが自ずと見つかり、大切な者の存在が改めて分かる作りに
なっているのではないかな。

このドラマの中でも「転校生」というかつてのドラマ／映画
のタイトルの名が出てきたが、その辺の展開は十分に踏襲した
作りになっている。
しかしこの時代のドラマと比べても一つだけ決定的に違うもの
があるとすれば、それはコミュニケーションとしてツールである
"携帯電話"の存在が、実に大きな形で物語を彩るものとして
使用されている事である。
オヤジ世代の人間が携帯を巧みに操るだけで若者の心を理解
したかのような感覚に陥り、若者世代の人間が不器用な姿を
見せれば、逆に何処か親近感が沸くキャラクターになってしまう。

物語自体にはそれ程斬新さは求めなくても、こういったキャラ
クターを構成する要素を上手く操ることにより、ドラマとして
は面白くなるのではないかな。

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)