第11話 動く壁を完遂せよ

永正記念館アトリウムでは、麻田首相がペイント弾で打たれた
ことによってパニック状態になる。
その場にいた客は出入り口に殺到する中、麻田首相に恨みを
持つ山西は逆行するように彼の前に歩み寄る。

前回と同様に展開は引っ張り引っ張り引っ張り倒した感じの話
になった。

前回三代目魚武濱田成夫がなんで井上薫を襲うのだ?と思って
いたのだけど、その時の負傷痕である血の跡が道しるべとなる
ために使われたのね。

逃げる者と追う者。
ホラー映画の常套句のように逃げる者は走るが追う者はゆっくり
と歩いていく。これはこれで良いのだが、どうもSPの行動に
違和感を感じる場面が多い。折角これまでの展開では、プロ
フェッショナルの仕事をしてきたのに、ここに来て意図的に遅延
行為をしている感じばかりが残るのだ。

また音楽ホールでの場面も全く距離感が成っていない。
倒れた麻田・井上と山西との間合いがカット毎に不自然に修正
されたり、何時でも犯人を狙えそうな所で意図的に場面を回避
している感じにしかみえなかった。

結局過去の因縁は、感情を抜きにして壁に徹するSPの難儀な仕事
っぷりを描かれるのに使われた。
両親殺害を裏で操っていたものを命を賭けて警護しければなら
ない時の主人公の気持ち。言われるまま暴漢を装ったのに
見捨てられるだけの山西の気持ち。互いに感情がリンクし、
一瞬でも二人の感情が重なり合う興味深いシーンだった。

最後はSPらしい展開だと思う。
逃げ去る犯人の車を見つめながら、自殺として処理される内部の
不祥事。そんな不祥事に関わりが有ることを感じさせる尾形の
言動。
出来ればシーズン2も続けて作って欲しいですね。

guest
平田満、峯村リエ、伊達暁、今奈良孝行、小椋毅
古山憲太郎、高橋光宏、蛯沢康仁、飯尾英樹、上戸明
中込佐知子、農塚誓志、中島凱斗、中井澤亮

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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