第11話 俺達の列車は未来へ走り続ける

胸を張れるだけの夢も希望もないので照美と別れる事を告げる
田中。あれ程付きまとってきた田中の態度の旋回具合に、
照美も複雑な心境になる。

9話の感想の中で、自分たちで仕事を興せばいいと書いたのだが
まさにそんな展開が用意されていた。

確かにこのドラマ、田中とその他のメンバーの間には年齢的な
ギャップが存在するからその辺をどうするのかなと思っていた
のだが、上手い形でつなぎ止めた形だ。

退学する勢いの良さはまさに田中だった。
会社を立ち上げようという彼の行動力は、口八丁でも凄いモノが
有る。

田中が如何に彼女の中で存在の大きいモノだったのか、
回想シーンをつなぎ合わせてそれを知らしめるシーンは良く
できているし、改めてみると田中語録は本当に良いことを言って
いる。

"北斗星"旅行についても鉄道マニアが喜びそうな鉄道ダイヤ
グラムの盲点を付く作戦で照美を登場させる辺り、
とても面白く演出されていた。サスペンスドラマではよく
アリバイ工作に使われる手法だよね。

バラバラだったメンバーたちが最後に北斗星で集結するのも
良かったが、琴音と秋山のエピソードで、世田谷線の亜細亜
料理店サイゴンを使って、琴音が参加表明するエピソードは
お洒落で良かった。

ドラマでは漫画原作でなくオリジナルのシナリオという事でも
高く評価できる作品だと思う。

余談だけど、
私は北斗星には乗った事がないのだが、九州に行くときに東京
から寝台特急"さくら"に乗ったことがあり、似たような経験を
している。
夜に東京を出発した寝台列車は関門海峡辺りで朝を迎える
事になるのだけど、海峡越えではこのドラマと同じく機関車を
付け替える。それを見たくて朝の4時とか5時頃眠い目をこすり
併せた記憶があるな。
新幹線で行くのも良いけど、寝台列車でゆっくりと行く旅行も
良いよね。

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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