第6話 オカン上陸 |
18歳の頃、母親の元を離れてから6年後。
母と子は再び一緒に住むことになる。東京という大都会で。
スペシャル版の時にも書いた感想でもあるのだけど、
速水もこみちの周りに集まる人々の暖かさであったり、
人を寄せ付ける人徳さを持ち合わせている彼自身の性格や
雰囲気に有ったり、そんな彼が自分らしく居られる環境を
整えてくれるオカンの存在といった相互的な補完関係が実に
巧みに描かれているドラマだと思う。
東京に出てくる事を決意したオカンの覚悟に対して、田舎と
似たような環境を提供できる速水もこみち自身の頑張りと
友情・人間関係の形成に拍手を送るしかない。
プライバシーを遵守する都会の暮らしと、ある種他人の領域
を侵してでも助け合い精神が根付く田舎暮らしの差が二人の間
で生活上のリズムを狂わせ、ストレスがたまる原因でも
有るのだけれど、親子とはいえ所詮は他人であるような冷たい
一面を描きつつ、最後にはお決まりの暖かい演出で涙を誘う
展開は、このドラマの良さでも有る。
一緒に住むと決めたのはマー君自身の決断でも有るわけだし、
これまで無償の愛を提供してきた母親を前にして、ここは自分
の家であり、自分の稼いだ金だと自己主張する姿はちょっと
幼い感じもするし、逆に田舎の母親らしく大盤振る舞いして
しまう辺りは、マー君がちょっと気の毒な感じもしないでもない。
6年間の一人暮らしの生活によって培った、時間的・空間的・
精神的自由を手放したい気持ちもよく分かる。
石黒賢の言った"居ないと寂しいが居るとうっとうしい"という
のはまさに真理なのかも知れない。
自分の彼女が母親と仲良くしてくれる姿が実に良い。
大抵は息子を通した関係になってしまうけど、マー君が居ない
時にも料理を教えて貰ったり、色々と心のウチをさらけ出せる
関係は有る意味理想的なものかも。
評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)