第8話 家族の絆

オカンのガンが再発。生きるために残された手段は手術しかない。
しかし家族に迷惑が掛かり、その後の生活のことを考えるオカン
は断固としてそれを了承しなかった。

バラバラで有った家族が東京タワーを中心にして集まり始め、
そこでドラマが待ち受けているという、如何にも東京タワー
という冠が付いたドラマらしい構図だ。
なんと言っても重要な場面には意図的にフレームの中にタワーの
影が背景に映り、存在感を遺憾なく発揮している。

ドラマでは家族の役割だったり、それぞれの存在の意義を示す
展開で良くできていた。
一見心が離れた家族の様でいて、序でに全国方々に散りばめら
れた家族の形で有っても家族は家族であり、距離や態度に
関係なく家族は家族の者達の活躍を期待し、容体を心配している
様子がこのドラマの中で見せつけてくれる。

ドラマで面白く映ったのはやっぱりオトンとオカンが一緒に
買い物をしている時のオカンの満面の笑みだろうか。
これだけオトンに放ったらかされているにも関わらず、オカン
の嬉しそうな顔は、有る意味マー君との間で見せる笑顔とは
またひと味違う表情だった。その違いが一瞬の展開の中だけで
表現できるのだから、倍賞美津子の演技力の良さであり
演出の勝利だと思う。

またドラマではそんな家族の意義を改めて現すために、香椎由宇
の家族のエピソードも巧みに利用している。
互いに勝手しあっていてもやはり家族の者の顔を見るとホッと
するという事で、彼女が実家へと足を向ける道筋などを上手く
つけている。

今回は家族中心に描かれていたので、周りのメンバーの存在感
が全くと言っていいほど無かった。

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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