第8話 さよなら愛する友 |
富貴子が亡くなり、孤立無縁となった克也が"あしざきファーム"
の実質的なオーナーになる。
しかし経営を引き継いだものの、借金も同時に背負ったことに
なり、農協職員によると融資限度額の5000万を超えた為に、
牧場を手放す離農勧告をするところだという。
それを聞いていた高志は何とか融資先を探すために奔走する。
ようやくドラマタイトルである「牛に願いを」という意味合いが
提示されたなと思ったら、そこに解決法を求めず。
ドラマとしては起死回生の無い典型的な右肩下がりのテンション
で進行する内容となった。
なんといっても今日のMVPは高志の妹・百合だ。
夢みたいな話しで盛り上がっているところを、彼女の一声で
一気に現実に引き戻してしまった。
実家の実情には目もくれずに友人ばかりを助けようとする
高志の行動は確かにエゴだと思う。
街を再生させようというのではなく、自分の都合で一部分だけを
解決しようとする姿に些か現実性がない。
しかし二人の幼い頃からの特別な関係がとてもよく描かれている。
そんな関係とは逆に時代の流れが二人の間に溝を作っていたり、
東京という土地にこなれた高志にちょっとした嫉妬心にも似た
感情を吹き出して悪態を付くなど、ドラマとしても面白く演出
された流れだったと思う。
二人だけの合図でタオルを振り合う姿はとても印象的だった。
短い間だけど生徒達と高志の間にもとても良い関係が築かれて
いると思う。中でも感情を失っていた感のある美帆子に対して
情を沸きたたせる程の存在感を示した所は、このキャラクターを
上手く使いこなせていた証拠でも有るのではないかな。
guest
でんでん、園部貴一
評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)