のど自慢大会での妨害工作に怒り心頭の太郎は、自ら舞台に
立ち、芥川と歌で対決する事になる。
最初に歌う芥川はプロ顔負けの歌唱力で観客を驚かせた。
最後に登場する太郎は自らギターを持ち豪快にROCKの音を
響かせる。

太郎と山之内一家の対立の構図が鮮明になりはじめた。
ザコキャラである芥川をぶつけることで先ずは小手調べと
いった感じの展開か。

悪者の下で働いているものの歌で大成したいと夢を見る芥川
の複雑な心境が伺えて、そんな彼に声を掛ける太郎という人物の
大きさを感じることが出来た。有る意味太郎の中にアニキ肌
を見た瞬間かも知れない。

太郎の記憶の問題と恋愛の問題が並行的に演出される。
記憶が戻ってしまったら今の生活の形は崩れてしまうのか。
太郎の事を好きな岸田鈴の心の中では、そういった不安が同居
しており、今回彼女の知らない太郎の姿を見て随分と複雑な
表情を見せている。今まで弾いているのを見たこともないギター
を突然直感的に弾いてしまった事実は、岸田鈴の心をより複雑
にさせると共に彼は一体どんな人物なのかを想像させる。

先行して約束を結び記憶が蘇ってもこの地に留まって欲しい鈴の
乙女心を見た感じがした。

guest
田口主将

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)