第4話 校庭の奇妙な事件 |
学校を訴えること。
それは勤める弁護士事務所のクライアントである学校を訴える
ことの倫理的な問題に接触し、原告の居ない裁判などあり得ない事。
問題は山積する中、珠子は亡くなった明日香の父親である健太郎
の元へ会いに行くのだった。
相変わらず今期のドラマの中で神ドラマへと邁進している
このドラマ。
画鋲事件は学校の問題、そして教師としての問題を鋭く指摘
しているし、今回なんと言っても原告である健太郎と珠子の
関係を描くことで、とても深みのある展開になったと思う。
ずっと彼女の中で宙ぶらりになっていた過去の問題が、今回の
展開で全て整理され、いよいよ現実での問題ばかりに集中出来る
環境を整えた。
隠れているものをわざわざ表に出す必要はない。
今まで何の存在感も発揮していなかった熊沢茂市先生が突然
表に出てきた感じもするが、この一言がこの学校に於ける問題
の全てを物語っていると思う。
生徒と向き合ってこなかった教師、問題に対して見て見ぬふりを
してきた教師の存在が全て生徒を可笑しくしている。
ドラマとして面白かったのは流れの波がハッキリしていた事。
少しずつ溶け込み始めた加地耕平の誠意や熱意が伝わり、
そんな不良教師達の姿勢を正し始めたのかと思えば、最後に再び
彼の元から離れてしまう。
恐らく副校長から加地先生が学校の情報を売っている事を吹き
込まれたゆえの結果だと思うが、味方に思っていた教師達の
態度の豹変の仕方に、この問題も簡単には解決に導かれないな
という気がした。
guest
河原雅彦、八十田勇一、小須田康人、かとうあつき、斎藤嘉樹
評価:★★★★★★★★☆☆ (8.0)