第10話 少年の立つ法廷

証人として法廷に立つ熊沢からイジメが有るという証言を
得る。この発言を経て学校を弁護する直之は、作戦を切り替え
ようと主張するモノの、雨木副校長はあくまでイジメの存在の
有無に拘りを見せた。

相変わらず珠子の主張は真理を突いているし、かといって
相手を傷つけまいとする意図が分かるような優しさに包まれて
いる。

問題の有る子供の居る家庭は何処も正面切って向き合う事を
していない。
問題を隠すこと、手を引くことで子供を守ろうとしている共通性
が有るのだが、そんな者達にメスを入れる珠子の主張が実に
爽快だ。

勿論元来彼女も向き合うことを忘れていた人間なので、自らへの
戒めも忘れていない。
そんな彼女の発言は彼女の中で過去と向き合っている感じがする
し、相手に対する発言への配慮へと繋がっている。

イジメの主犯格だと思っていた人物の件が有る程度解法に向かう
事で耕平にしては生徒に対して色々と言及しやすくなったの
ではなかろうか。
加寿子の件に関連して染み入るような主張で生徒達の心を揺り
動かしていたが、こういう魂を持つ人間だからこそ、加寿子に
しても明日香にしても心を許したと言ったところか。

guest
渡辺典子

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