四つの嘘

脚本/大石静

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第3話 魔性の女と年下の男


安城は痙攣を起こし病院に運ばれる。
待合室で待つ詩文は心配そうにしていた。脳挫傷は無く
明日には意識回復するだろうとネリは診断を下すが、脳の
レントゲンには重篤な傷が映っていた。普通の生活をする分に
は問題はないが、ボクシング人生は終わりであるという。
詩文はネリに金がないから入院費は払えないことを告げる。
貴方にはその分別の幸せが回ってきているでしょうとネリは
語った。
美波の手帳を読む満希子は、息子から志望校のレベルを上げる
と聞かされ大喜び。しかし変わりに家庭教師をつけてくれという
願いに複雑な心境になる。他人がこの家に入る事で娘や息子が
惑わされるのではないかという。その事を聞いた旦那の武は
バンクーバーに行って以来変だと告げる。満希子は亡くなった
河野圭史は家庭教師をしており、そのせいで美波が亡くなった
と思っていたのだった。
翌日安城の意識が回復する。しかし一部に記憶障害が残って
おり、ネリの事を恋人のような目で見ていた。突然のキスに
ネリは交わすことも出来ず、驚いた様子。そして詩文の事を
呼び出すも彼女のことを一切覚えていなかったのだった。

バンクーバーでの出来事以降、これまでの彼女たちの人生
に於ける価値観が微妙にずれていく話しを描いた。

不倫、略奪愛、年下の男性というキーワードを元に、
仕事一辺倒だったネリが詩文の彼氏・英児と恋仲に落ちそうに
なったり、手堅い人生を送ってきた満希子が年下の家庭教師
を意識し出す。

ドラマとして決して悪くはないのだが、当初予想していた
ドラマとは全然違う印象になってきた。特に美波自身の素性
を暴いていくのがメインになるかと思っていたのだが、
美波のエピソード自体はきっかけにしか過ぎず、今後圭史
との関係が深く掘り下げていく事は無いような感じの流れだ。

今回は何と言っても安城英児を巡る女性陣の動きがメイン。
ボクサーをやる英児でなければ意味がないという詩文。
彼が試合後に自分を求めてくる感覚に命の息づかいを感じて
いる彼女。彼に執着する理由が描かれ、唯一の生き甲斐の
としての彼を感じている訳だが、今回の詩文の行動にはエゴ
以外の何者も感じないところが悲しいところ。
娘の存在に固執するのも、娘のためでなく自分の為である事が
分かるようなやりとりに、なんとも憤りを感じる展開だった。
ボクシングを辞めた彼がネリの方向を向いたとき、それでも
その中に魅力を感じて取り戻す方向で動くのか。

ネリの女性ホルモンが足りないのは男性経験が不足している
のが原因なのか。無排卵月経であり女性ホルモンの補充療法
を薦められていたが、仕事だけに生きてきた女性が男性に
走る姿を描いていくのだろうか。

満希子のエピソードは年下の男性と発展しそうな感じ。
美波の残した手帳を読んで想像力を膨らませている彼女の
捌け口として、都合の良い男性が訪れた。男性もまた満希子
を意識している感じだし、二人が関係を持つのも時間の問題だと
思われ。娘との激しい争奪戦が起こるのかも知れない。

原詩文………永作博美 (魔性の女。本屋の娘)
戸倉美波………羽田美智子 (カナダに住む)
西尾満希子………寺島しのぶ (仏壇屋の娘)
灰谷ネリ………高島礼子 (世田谷第一病院の女医)

河野圭史………仲村トオル(友情出演)外交官
安城英児………勝地涼 (ボクサー。詩文の彼氏)
西尾武………渡辺いっけい (満希子の夫)
河野良子………野際陽子(特別出演)(圭史の母)
西尾ゆかり………夏未エレナ (満希子の娘)
西尾明………井之脇海 (満希子の息子)
戸倉雅之………二階堂智
戸倉彩………栖葉桃菜

福山………長谷川博己
井上………奥田崇
坂元弘樹………進藤学
原禮一郎………品川徹
宮部………伊藤ゆみ

((18歳の頃))
原詩文………入来茉里
戸倉美波………下垣真香
西尾満希子………石田未来
灰谷ネリ………河合優

guest
辺見………川俣しのぶ (産婦人科)
ジム会長………不破万作

桜井聖、杉田浩子、藤井亜紀、白木ケイ、蓮見陽介、山崎崇史

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