相棒 シーズン7
(2008年度10月期・テレ朝)

チーフプロデューサー - 松本基弘
プロデューサー - 伊東仁、西平敦郎・土田真通
脚本:輿水泰弘(1)(2)(8)(9)(19)、徳永富彦(3)(10)(16)、岩下悠子(4)
渡辺雄介(5)、櫻井武晴(6)(7)(12)(13)(18)、ハセベバクシンオー(11)
佐伯俊道(14)、古沢良太(15)、波多野都(17)

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_07/


第5話 顔のない女神

--------------------------------------------------------
伊沢ローラはラジオ番組"NEVER END"の人気DJ。知性溢れる語り
口と彼女の選局する曲からとても評価されていた。しかしそんな
番組も10年の時を経て今日の放送をもって終わりを告げる。

角田はこの日薫と共に、警視庁の代表として最近流行している
"毒茸"の自殺についてラジオでインタビュー放送することにな
っていた。二人でラジオ局"JP-STATION"を訪れリハーサルを
重ねる。

休憩に入る角田たち。伊沢ローラが最後の放送を終えて廊下を
歩きながら会話している声を聞いて、角田はそれがローラだと
判別する。伊沢ローラはDJとしてのイメージを守るために一切
顔を公表していなかった。角田は記念に写真に撮って貰うこと
にする。

そんな中、ラジオ局の正面入り口でラジオDJの西田春香が何者
かに刃物で殺害される事件が発生する。
すぐに異変に気がつき薫も現場に行くが犯人は既に逃走した後。
警備員の話では、一時間くらい前から近くを彷徨いていた男性
が居たことを目撃されている。
しかし西田の熱狂的なファンにしても、今日は土曜日。
西田が担当しているラジオ番組は月曜から金曜の平日の為、
普段ならばこの日はラジオ局には来ていないハズの人物。
ディレクターの佐久間自身も彼女が局に来ていたことを知らな
いと証言しており、余程狂信的なファンだったのか?
しかも話しを聞いていくウチに、普段は局には正面入り口の
他に関係者側入り口が有りそこを利用しているが、本日は
関係者入り口の自動ドアの調子が悪く、18時からは正面入り口
を使うよう指示されていた事もあり、犯人は西田がそこを出入
り口として使うのを知っているのは可笑しいというのである。

ローラに話しを聞きに行く。
西田の事を恨んでいる事を認め、番組を引き継ぐことに悔しさ
を感じていたのは事実だが、会社の事情も有るので仕方がない
という。周囲にライバルだと煽られ、先輩DJとして何も教えら
れなかったと悔やむ。

ディレクターの佐久間に話しを聞くと、ローラ本人が番組を
辞めて変わりのDJに西田を指名した事を知る。全ては自分が
悪く神野志麻子との婚約を破棄して西田と付き合っていたこと
を吐露。志麻子に話しを聞くと西田と一緒に番組を持つことで
佐久間のことは吹っ切れたと告げる。しかし志麻子は復縁を
迫っていたとの証言も有った。
--------------------------------------------------------

人気DJが犯した事件。
世間には顔や素性が知られていない事を利用し、殺害を企てる
というなんとも複雑な事件だった。

ドラマとしては当然西田を恨んでいたり、西田の熱狂的なファン
による仕業であると着眼点を持ってしまうような事件。

西田に対して恋人を奪われ、しかも番組まで外されようとして
いる神野志麻子に殺意が有ることが疑われるが、ドラマでは
そんな志麻子は狙われる側の人間だったという点で分かって
みると実に面白い事件である。

伊沢ローラという人物がこの虚像に賭ける思いというのが全て
だった。
私利の為に志麻子が自分のことを裏切ったのも殺害する動機の
一つだが、声を判別できなかったという点で殺害に及ぼうと
決めた辺りの拘りがドラマとして光る点。

犯人は冒頭から描かれていたし、出入り口を特定していく過程で
犯人との協力者が内部にいる事。そして犯人が殺害する直前に
西田を特定して殺害に及んでいると思わせる事で、完全に事件
の全容を惑わされてしまった。

まぁでも毒茸が椎茸と似ていると発言した事を気に掛けていたが
これを警視庁が発表する前だったとしても、噂として幾らでも
出回っている事何じゃないかなと思う。

服装のすりあわせはどうやって行ったのかなとずっと考えて
いたのだけど、ラジオの生放送で信号を送っていたり、単なる
偶然だと捉えてしまったり、なんとも的が絞りづらい事件だった。

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
亀山薫 …… 寺脇康文 (警視庁・特命係)
奥寺美和子 …… 鈴木砂羽 (帝都新聞社会部記者)
宮部たまき …… 高樹沙耶 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)

大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)

伊沢ローラ …… 清水美砂 (ラジオ"NEVER END"のDJ)
神野志麻子 …… 日下由美 (ラジオのプロデューサ)
西田春香 …… 岡村亜紀 (ラジオ"HAPPY TIME"のDJ予定)
佐久間 …… 岩田和樹 (志麻子と春香に手を出すディレクター)
木下肇 …… 高木稟 (殺人者、毒茸で自殺)
竜崎 …… 新虎幸明 (ディレクター)

森戸宏明

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system