相棒 シーズン7
(2008年度10月期・テレ朝)

チーフプロデューサー - 松本基弘
プロデューサー - 伊東仁、西平敦郎・土田真通
脚本:輿水泰弘(1)(2)(8)(9)(19)、徳永富彦(3)(10)(16)、岩下悠子(4)
渡辺雄介(5)、櫻井武晴(6)(7)(12)(13)(18)、ハセベバクシンオー(11)
佐伯俊道(14)、古沢良太(15)、波多野都(17)

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_07/


第17話 天才たちの最期

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柘植瑛子はこの日警視庁を訪れ、安原が自殺だという警察の
見解は誤りだと訴える。捜査一課の三人がたまたま通り話を
聞くが、自殺で間違いない事を告げる。すると警察の杜撰さ
を自分の出版社で告発すると言い始める。対応に困った伊丹
だが、たまたま通りかかる右京に丸投げする。
右京は特命係として話しを聞くことになる。

柘植瑛子は詩人の城戸幸四郎を担当する編集者であることを
告げ、彼の勤める東都芸術大に通学する生徒の一人が安原だっ
たという。彼は詩壇の救世主と呼ばれ飛び抜けた才能とアイ
ドル並みのルックスを兼ね備えており、近日中に彼の学生時代
に書かれた詩集が出版されることになっていた事を告げる。
亡くなったのは五十嵐孝介ゼミの卒業朗読会の場で、テーマ
は水という事で朗読が始まったという。安原の番になると朗読
中に10数秒の暗転が有り、辺りが一瞬真っ暗になった。その後
口を付けたコップの中に入った毒を飲んで亡くなった事を知る。
警察によると予め毒を入れることは不可能だったとして自殺と
して処理されたという。

色々と安原について話しを聞くと、詩の詩作に悩んでいた様だ
ったという証言を得る。更に舞台の上で朗読する際、巻物を
開いた時の安原の様子が自信から動揺する急変さを見せた事を
聞く。しかもその巻物は白紙という不可解さ。
現場を検証した米沢から、現場の紙吹雪の中に一部畜光テープが
見つかっているという。もしかすると暗闇の中でテーブルが
有る方向を指し示すための目印として使用されたのではないか
と疑う。右京や米沢そして瑛子は現場で実際に確かめてみる。
しかし客席から舞台へと上がると足音が気になるのがネックだ
という。瑛子は当時を思い出し、その時スモークマシンから
煙が飛び出し、会場にいた人は一瞬火災かと思って騒ぎになっ
ていた事を知る。
毒を入れる事が出来る客席に座っていたのは、五十嵐と城戸
である事を知る。

瑛子の会社である時創舎を訪れる。社長の堀江恵一から話しを
聞く。安原は孤児であり後見人は五十嵐だったこと。五十嵐の
家に住み込んでいたという。
堀江はここだけの話として7年前に女流詩人・梅津朋美が同様
の亡くなり方をしていることを知る。
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二人の天才若手詩人の二人が相次いで自殺する。
しかも同じ方法で自殺していることから因果関係は存在する
のか。

またしても警察の誤認で他殺を自殺として処理されたのかと
思わせつつ、実際には本当に自殺していた。しかし最初に自殺
だと判断した捜査一課ってかなり天才的な視点を持っている
と思う。なにせこれだけ自殺した本人が他殺の線に見せようと
して色んな物証を残しているにもかかわらず、右京なんかより
も先に自殺だと断定しているのだからね。

ドラマの中で最も怪しいのが詩壇の重鎮の五十嵐。
この人物が盗作したために梅津朋美の可能性が潰され、一人の
才能有る若手を殺害したのかと思わせた。

ドラマ途中で浮かび上がる梅津が所持していたノートの存在が
ドラマとしてのキーアイテムとなり、それを持つ人物こそが
全ての真相を握っているとされる。

面白いのは今回の自殺の件が梅津の自殺とどんな関係があるのか
という点だ。全く同じ亡くなり方をしていることや、死の直前に
朗読した詩が彼女の詩の一編で有った点など、犯人に対する
アピール性を強くした結果、そんな事実を打ち消すために殺害
されたのではないかと思わせた点が良くできている。

安原が最近忘れっぽくなっている事が友人の証言やら部屋の
中から見つかり何かと思えば病気の事実まで折り込まれて、
梅津朋美の件に関しては今回後漬けのような形で存在したと
言う点で面白い内容だった。

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
亀山薫 …… 寺脇康文 (警視庁・特命係)
奥寺美和子 …… 鈴木砂羽 (帝都新聞社会部記者)
宮部たまき …… 益戸育江 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)

大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)

柘植瑛子 …… 黒川芽以 (出版社・時創舎編集)
安原慎一 …… 三浦涼介 (自殺した天才詩人)
城戸幸四郎 …… 中島久之 (東都芸術大学・准教授)
五十嵐孝介 …… 西沢利明 (詩壇の重鎮)
堀江恵一 …… 三上市朗 (出版社・時創舎社長)
梅津朋美 …… 清水美那 (7年前の自殺した天才詩人)
有吉 …… 片山景介 (安原の同級生)
--- …… 久松夕子 (シスター)

小杉幸彦、牧村泉三郎、白樺真澄

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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