相棒 シーズン7
(2008年度10月期・テレ朝)

チーフプロデューサー - 松本基弘
プロデューサー - 伊東仁、西平敦郎・土田真通
脚本:輿水泰弘(1)(2)(8)(9)(19)、徳永富彦(3)(10)(16)、岩下悠子(4)
渡辺雄介(5)、櫻井武晴(6)(7)(12)(13)(18)、ハセベバクシンオー(11)
佐伯俊道(14)、古沢良太(15)、波多野都(17)

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_07/


第19話 特命

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あの日特命係の右京当てに封筒が送られてくる。
差出人は馬頭刈村の住民・山口真弓という人物から。

その頃、警視庁・警備局警備企画課の神戸尊が長官官房のお偉
いさんから呼び出される。特命係が警察にとって必要な存在な
のか否か、彼に半年間特命に所属して貰い判断して欲しいと
言われる。決して特命は無視できないほど活躍もしている事。

神戸は特命にやってくる。対応に出た角田は特命にやってくる
なんて何をしでかしたのか?と尋ねる。右京は昨日から来て
いないという。
神戸は右京について考える。彼は何故窓際に追いやられている
のか。活躍に対するやっかみなのか?それとも性格に問題が
有るのか。

神戸は殺人事件の現場へと足を運ぶ。捜査一課の伊丹・三浦・
芹沢に話しを聞くが右京は来ていないという。取りあえず名刺
を置いていく。別の場所を探そうとして帰ろうとしていると、
米沢が彼に語りかける。昨日右京に頼まれて馬頭刈村で鑑識を
行ったのでそこにいるのではないかという。
早速彼は愛車のGT-Rを飛ばして現地へ向かう。

村に到着して早々、彼は道に横たわる泥酔した男性・小池福助
をひき殺しそうになる。仕方なく彼を自宅まで運んでいくと
彼は区長の息子であり、母親は一週間前に亡くなっている事を
知る。そんな時右京から電話があり現在村の柊荘に宿泊して
いると聞き向かう。
早速挨拶をした後、どんな事件を調べているのか尋ねる。
この村の賢人・イディオ・ザヴァンである知的障害者・山口
毅一が描いた絵が送られてきたことがそもそもの発端で、
その絵の中に殺人事件を臭わす絵が描かれているという。
死因は急性心不全として処理されたが、絵の中では血だまりが
出来ており、麻縄がぶら下がっている絵が気になるという。

源一、晋平、法春は集い、現在この村に警察が来ていることを
話し合う。一体何のために来ているのか。特命の存在を知って
いたのは駐在の真鍋であるとして、彼に事情を聞きに行く。
右京からこの村に来た際に捜査をし易くするために聖書を売って
居る人を装って欲しいと頼まれたという。

遺体の絵が描かれているのは森の中に設置された休憩小屋。
米沢に頼んで鑑識して貰ったときに血液反応は出なかったが、
床板が全て張り替えてあり不自然だという。しかも絵にある
様な上がり框が無い事も不可解であった。物証が隠滅させられ
ていることで疑惑は確認に変わったという右京だった。
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新しい相棒が赴任してくる。ただこれは相棒と言っていい存在
なのかは微妙で彼の判断次第ではこの部署が消えて無くなると
いう微妙な立場の人。
監視されている半年間に右京が失態を見せるとは考えづら
いし、色眼鏡で見ない場合、この部署の特異性と同時に有効性
も見えてくると思う。ただ相手は官僚故に、小野田と似たような
視線を持っているともしかすると組織の論理から逸脱する彼を
排除せよとの結論を持ってくることも考えられる。

さて今回は相棒が出てきた以外は意外とシンプルな話だった。

一枚の絵から連想される事件を何処まで信憑性の有る内容へと
昇華することが出来るのか。しかも相手は障害者であり、
意思の疎通がままならない事情が存在する。

ドラマとして上手い点は、彼のような障害者の特性を上手く
信憑性の有る事へと結びつけている点。
規則正しい行動しかしない人物だからこそ信憑性が生まれる事で
有り、そんな彼が何故突然動物以外の絵を描き始めたのかも
ドラマとしては上手い疑問符の投げ方だ。
まさかネズミの絵がメインでありそれ以外は背景として認識
しているとは思わなかった。ネズミの絵が主役の割りには如何
せん小さすぎる。

すぐに保険金の話が出てくるためにそれを目的としている事
は分かるのだが、何故亡くなったのかという点がドラマとして
興味深い点。殺人だと決めてかかるのは簡単なことだが、
その中で何が起こっているのかを想像するのはとても難しい
ものだと思う。

右京&尊の初めてのアプローチということで、まだまだ息の
有ったプレイは見られなかった。乱暴な運転をする彼のこと
に目を丸くしていた右京の姿こそ面白かったが、まだまだ
互いに警戒心を持って会話している。この辺は時間が解決して
くれるのかな。

そしてドラマではもう一つの事件を扱った。
最後にあんな場面で何故毅一が絵を描き始めたのかは謎だし、
本当に足を滑らせたのかどうかも良く解らなかったが、
口の絵だけで何を発言しているのか分かってしまう右京が
神がかっていたね。

それにしても今回の家族、息子のために命まで捨てようとする
なんて凄い親だなぁ。4回倒産しても金が払えるというのは
どんだけ金を持っていたのだか。

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
亀山薫 …… 寺脇康文 (警視庁・特命係)
奥寺美和子 …… 鈴木砂羽 (帝都新聞社会部記者)
宮部たまき …… 益戸育江 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)

大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)

神戸尊 …… 及川光博 (特命係へ)
小池源一 …… 前田吟 (父親)
小池晋平 …… 日野陽仁 (源一の弟)
小池福助 …… 伊嵜充則 (息子)
小池貞子 …… 大塚良重 (母)
山口直弓 …… 宮本真希 (姉)
山口毅一 …… やべきょうすけ (弟・知的障害)
法春 …… 苅谷俊介 (和尚)
真鍋哲朗 …… 趙[王民]和 (駐在)
舟木 …… 二瓶鮫一 (医師)
田中 …… 長沢大 (長官官房・首席監察官)
佐藤 …… なかみつせいじ (長官官房・人事課長)
鈴木 …… 影山英俊 (長官官房・審議官)
横田 …… 福田信昭 (長官官房・参事官)

三浦光

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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