赤い糸

脚本/渡辺千穂(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)、半澤律子(1)(2)
演出/村上正典、川村泰祐

http://wwwz.fujitv.co.jp/akai-ito/index.html


第9話 366日


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たかチャンの葬式に中学時代の仲間が全員集まる。何時もいる
はずのたかチャンが居ないことに違和感を感じる一行。芽衣は
敦史に別れ際にたかチャンが何を言っていたのかを尋ねる。
たかチャンは敦史の変わりになって芽衣を支えていこうとした
が無理だったと告げたという。

たかチャンの葬式から半年が経った2月。神社では節分祭が
とり行われている。もうすぐ芽衣の誕生日。
誕生日にはみんなで集まろうという美亜の音頭で、中学時代の
仲間を呼んでいつもの喫茶店で誕生日会を行う事に。一方
敦史は麻美から誕生日を一緒に祝うのは私ではダメかと聞かれ
一緒に居ようと約束する。
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凄いシチュエーションの連続。
ここに来て携帯小説らしい不幸の連続の構図が露わになってき
た。
何か起こらないと人の気持ちの深さが分からなかったり、アク
ションを起こしづらいという事情は分からないでもないが、
人生に於いて一度にこんなに色んな出来事が詰め込まれている
というのは息つく暇もない。こんな波瀾万丈の人生が普通の人
に訪れるのかと言われると難しいものがあるが、不幸続きの時
には、不幸が何故か重なるよなと思わず言い聞かせて見た。

さて凄いのは芽衣に起こる出来事。
芽衣が付き合ったたかチャンは亡くなり、両親は離婚。しかも
自分はこの家族の本当の子ではないと言われた。本当の両親は
父親が麻薬で捕まり、母親は自殺との事で人生に於ける不幸の
フルコースをたっぷり堪能させる。
そんなドラマの中でもまるで蜘蛛の糸のように垂れ下がって
くるのが、敦史との別れは有る意味作られたシナリオだったと
いう現実だ。何もかも信じられなくなった時、唯一信じること
が出来そうな敦史との思い出。しかしそんな敦史には本心は
ともかく別に彼女が居る。

あれだけ酷いことをしたたかチャンの事を芽衣にとっては良い
思い出として認識していられるのは、原点は中学時代にある
こと。
そして最も辛い時を支えてくれた事も有るのだろうが、彼の
気持ちが分かりすぎるほどハッキリと描かれている為有る意味
納得できる。

敦史側にも色んな出来事が多すぎた。
高校生にこれ程辛いことを背負わせて良いのだろうかという位だ。
母親の事を信じられなくなっている状況の中で、村越からお前の
存在が迷惑だと思われていると言われれば、色々と迷ってしまう
よね。

最後の16歳の誕生日の約束を覚えていたまでは良かったけど、
芽衣はともかく、別れた手前あの場所に足を運べるものかどう
かは討論の余地は有りそうだ。

そして麻美というキャラクターの魅力的な所を考えると、芽衣
との関係に再び戻るだけの説得力を与えられるかどうか。
自殺してしまった事で、より彼女の傍から離れられない気持ち
や理由が出来てしまうけど、上手く二人は結ばれることが出来る
のか。

竹宮芽衣 ……… 南沢奈央 (普通の中学生)
西野敦史 ……… 溝端淳平 (通称、アッくん)
高橋 陸 ……… 木村 了 (通称、たかチャン)
山岸美亜 ……… 岡本 玲 (芽衣の友人、行動的)
田所麻美 ……… 石橋杏奈 (敦史の幼なじみ)
中川沙良 ……… 桜庭ななみ (芽衣の友人)
藤原夏樹 ……… 柳下 大 (敦史とは小学校からのつきあい)
中西優梨 ……… 鈴木かすみ (芽衣の親友。)
神谷 充 ……… 田島 亮
竹宮春菜 ……… 岩田さゆり (芽衣の姉・高校生)
篠崎悠哉 ……… 矢崎 広 (芽衣の1歳上の幼なじみ。)
竹宮寿久 ……… 甲本雅裕 (芽衣の父親)
西野夏実 ……… 山本未來 (敦史の母、薬物依存症)
森崎孝道 ……… 小木茂光 (大叶神社の宮司)
竹宮幸子 ……… 渡辺典子 (芽衣の母親)
コータ ……… 山田ジルソン (悠哉の同級生)
幼少期の敦史 ……… 沢木ルカ
幼少期の芽衣 ……… 宮武美桜
太田一平 ……… 鈴木浩介
ユリ ……… 中村朝佳
由希 ……… 池田愛
井上隼作 ……… 矢柴俊博
川口ミヤビ ……… 平田薫
村越 ……… 松田賢二
石川マチ子 ……… 山口紗弥加

米村美咲、林和義、真下有紀、大林奈乃羽、浜岡遼

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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