第1話 人生残り11日
喜多善男は、人は良いがツイてないことづくしの人生を送る。
そんな人生に辟易し親友の命日の11日後に自ら死のうと決意する。
幼き頃から11という数字に縁のある彼。
亡くなるまでの11日間に、悔いが残らぬようやりたいことを
やろうと決めるのだが..。
島田雅彦の小説「自由死刑」のドラマ化。
自殺するまでの11日間に彼の身の回りで何が起こるのか。
そして決意していた11日目が訪れたとき、本当にこの世に未練が
無く死ぬことが出来るのかというのがドラマの興味深い流れ
だろう。
ドラマとして命の灯火がカウントダウンされていくという
意味では、ドラマ「神はサイコロを振らない」に通じる所が
有る。ただあのドラマでは運命は神のみぞ知るという所だっ
たが、このドラマでは上述したように、運命は自分で変えること
が出来るという点である。
なんとなく日本のドラマらしい奇抜な内容のドラマだった。
初回故に分からないことだらけで展開し、人間関係に於いては
嘘くささばかりを感じる。
そして意味不明な関係。
元妻・鷲巣みずほと喜多善男の関係がどういう事になっている
のか全く想像できる物がなかった。二度目の夫が亡くなり多額の
保険金を手に入れたとの事だが、それが誰のことを指すのか、
そして鷲巣みずほという人物はどういう女性なのか。
ドラマのプロットを覗くと、無くなるまでの間に次々と彼に
降り掛かる出来事の数々に運命の歯車が狂うとある。
影響を受けるのは必至と言った感じだが、影響を受けるのは
喜多善男だけでなく、彼に接触する人物もまた人生観を揺るが
す事に繋がっていくのだろう。
当面の興味は、喜多善男に近づく矢代平太の意図が何処にある
のかという事かな。
また11という数字がこの先も拘りを見せていくのか楽しみである。
評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)