あしたの、喜多善男
〜世界一不運な男の、奇跡の11日間〜

脚本/飯田譲治
出演/小日向文世、松田龍平、小西真奈美、今井雅之
栗山千明、要潤、生瀬勝久、吉高由里子、岩松了、温水洋一
丸山智己、吉家章人、渡辺万美、片山瞳、桂亜沙美

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第10話 最終章!!絶望をのりこえろ

いよいよ残り2日。
平太は善雄に死んで欲しくない事を告げる。
平太は良い人、みずほは心の優しい人、三波は恩人。
お前は悪いところを見ずに良いところしか見ようとしない事を
ネガティブに指摘され、生きろと言う言葉には必ず裏が有る事
を告げられる。核心を突かれるネガティブに必死に否定するも
最悪の朝を迎える。
早朝平太の元にみずほから電話が鳴る。三波が生きており
昨日逢った事を善雄に伝えて欲しいという。これを言えば彼が
死ぬはずは無いと。
一方会社では大変な事態になっていた。出社するみずほの元に
社員総意の退任願いを突きつけてきたのである。
前社長の事件絡みで犯人がみずほに指示された事を自供したと
いうのである。会社を存続させる為だと社員は言うが...。

全ての真相が明らかになる話しであると共に、これまでの真相
の全ては善雄が事態を飲み込みつつも、人との繋がりを
保つために行っていた事が明らかになる話しだった。

自分に都合の悪いことを全てネガティブが引き受けていたという
現実はなんとも面白い描き方。一人の人間の中から完全に
別の人格が存在しており、不満の捌け口になっているという。
ネガティブがいなければこれまでの人生はどういうことになって
いたのか。考え出すと切りがないような気がするが、今以上に
死期が早まっていたのは確かかも。

自分が善人を装っていることを良いことに、人々は自分の利益
の事ばかりを考えて近づいてくる。欺されなければ近づいても
くれないとする心の寂しさと憤り。人に対して忌み嫌うのでは
なくそんな人の住む世界が嫌だというところが彼らしい。

自分を殺すことが分かって、それでも人との繋がりを優先しよう
とする善雄の孤独感がなんともいえず、よくぞ彼は人間不信に
陥らないなと思う。そんな孤独感を癒してくれるのは不思議
キャラの宵町しのぶだ。彼女の流す涙だけでも本当に救われた
気のする展開だった。

善雄は確かに善人だと思うのだが、人の嫌なところを決して
指摘せず、良いところばかりを見るという行動は、やや微妙に
感じるところではある。
今季のドラマ「斉藤さん」も似たようなニュアンスのテーマが
設けられており、争い事が起こるのが予見されるからと言って
何も言わない事の問題を指摘している。
ある意味現代日本人の抱える問題の一つではないかな。

来週は最終回。
ここは宵町先生のミラクルに期待したいところ。

guest
市川勇、井田國彦、堀部圭亮、岩戸秀年、生津徹、樋口靖
杉本なつみ、磯村竜太、俵広樹

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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