薔薇のない花屋

脚本/野島伸司
出演/香取慎吾、竹内結子、釈由美子、松田翔太、寺島進
池内淳子、三浦友和、本仮屋ユイカ、八木優希、今井悠貴

http://wwwz.fujitv.co.jp/rose/index.html

第6話 暴かれていく秘密

英治が白戸美桜の目の手術費用を払った事に対して、菱田桂子
が助言する。桂子は白戸美桜が看護婦として病院で働く姿を
目撃しており、更に電話でその存在を確認していたのである。
自分で確かめるように英治に執拗に迫る。

とてもよく考えられているシナリオだね。

愛する人を騙し続ける美桜の苦しさと、愛する人から騙し続けら
れる英治の気持ちが面白い形で現れている。

言いたくても決して口には出せない真実。
まるで友達関係から恋愛感情が生まれた男女のように、
口に出すことでこの関係が終わってしまうかも知れない危うさ
によって包まれているのだけど、このドラマの巧さは、なんと
言っても、英治だけでなく美桜側にも真実を語る事のリスクを
十分に実感させている点だ。

美桜も意味ありげに電話口で逃げ出すチャンスの事を語って
いるし、彼女の苦悩も痛いほどよく分かる。

本当の詐欺師ならば、もっと金がある人を狙うはず。
そして詐欺師であるならば、金を奪った後にも留まる理由が
無いのだ。

彼女が彼を愛している事の証明が、彼女の存在そのものにあり、
今ここにいるという事実こそが愛情の証明となっているところ
が面白い描き方。

しきりに次のミッションだと語っていることが何のことだが
分からなかったのだが、最後になってそれが分かる。

普通の状態で親権を争っても当然祖父に勝ち目は無い訳だから
父親が無職である事と住むところが無い状態であることこそ
裁判で勝つためには必要な事。孫を奪うことで名実共に、
彼から全てを奪う事のミッションが完了する。

よく考えれば娘の形見である孫の存在を狙っている事は明らか
なのに、今までその臭いが全く無かったところも、上手く
演出されたと思う。

しかしこの子役の子おませさんだね。
自ら放つ天使の笑顔の意味を十分理解している。
小野優貴先生が、"勉強になります"って言ったシーンがとても
面白かった。

guest
小市慢太郎、山梨ハナ、海老沢神菜

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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