キャットストリート

原作/神尾葉子
脚本/浅野妙子(1)(2)(3)(4)(6)、篠崎絵里子(5)

http://www.nhk.or.jp/drama8/catstreet/


第3話 7年目の怒り


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自殺しようとしたあの夜私は生まれ変わった。
夜、そのまま屋上で焼きそばパーティが開かれる。
そこで野良猫たちが集うのを目にする。キャットストリート。
世の中から凄くずれていて幼くていつも外の世界に怯えている。
それでも決して一人ではない、7年前の私に見せてあげたい
その恵都は思うのだった。

両親にフリースクールの存在を告げ通いたいと願い出る。
ただの引きこもりよりは体裁が良いのかと発言するのは妹。
何故フリースクールに通いたいのか?友達が居るからだと告げる
と遊びたいだけじゃんと妹から容赦なく言葉を投げかけられる。
母親から私達に気を使って通いたいと言い出したのではないか
と聞かれるが、それを否定し自分の為に行きたいと主張する。

翌日紅葉と共に双眼鏡片手に光徳高校の様子を眺めていた。
目的は紅葉が好きになった男子生徒の山口健。彼の元に
告白しにいくという紅葉と一緒に高校へと向かうと、彼女と
一緒に下校する大洋の姿を目撃。大洋は二人だけで話があると
告げ恵都を呼び出す。紅葉になるべく彼女と共にコンビニに
来ないで欲しいと頼まれたという。でも断ったという大洋は
恵都とはこのまま友達の関係で居たいことを告げる。それで
良いよなという大洋の呼びかけに思わず頷いた。
その二人の会話を浩一が立ち聞きしていた。一応恵都は怒るが
心配してくれている事が分かっただけでも嫌な気分ではなか
った。
大洋と別れ際にお前は人には出来ないことが出来ると言われる。
TVに出ていたときの恵都は子供なのにプロの顔をしていたと
いう。演技する姿はキラキラしていたという。握手して別れる。

紅葉は健が校門から出てくるのを待っていた。
学校には良い思い出がないという彼女。退学するときも誰一人
止める人はなく、そんな人たちに自分が好きなことをやって
幸せだと言うところを見せつけたいという。
健が出てくる。仲間が数人いたが気にせず話があると告げる。
健は駅前のビデオ屋でバイトしているので終わるまで公園で
待っていて欲しいという。健の友人からもうちょいマシな服を
着てこいと言われた。

公園で待つ紅葉。服も着替えてカレの到着を待つ。
その姿を剛太と共に遠巻きに見ていた恵都。
二人は約束の場所で会うが、そこには健のクラスメイトの
男女が多数やってきた。健は既に別の女性と付き合っている
と言い、その彼女から直接人の彼に手を出すなと言われる。
そして公園の池に突き落とされ、みんなから携帯写真を撮ら
れて笑われた。その光景を見て恵都は飛び出そうとするが
剛太に止められ、人が居なくなったのを見て彼女を助けに
いくのだった。
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今回は取り分け、恵都が引きこもっていたときに押し殺して
いた感情を一気に放出させる話だった。
怒りの感情を放出させたわけだが、紅葉の為だと思っていた
怒りのぶつけ具合は、実は自分のためのものだったという。

ドラマとしては7年分の感情の放出と言うことで、その爆発
の仕方がどうなるのか気になっていたのだが、意外と大した
事が無くて良かったと思う。感情の出し方が分からず、意外な
事件に発生するとも限らないからね。

ドラマを見ていると、やはり人間同士の関わり合いが面白い
ように演出されている。引きこもりと外に出た人の違いは、
この関わり合いの部分ではないか。

2話の最後に自分のことばかりでなく心配している人の気持ち
を考えろという展開になった。今回彼女が怒りの感情を吹き
出す事になる着火点は友人のためのものだ。
フリースクールに通うとしたときに親からは、私達に気遣う
のではなく自分のためなのかどうかを尋ねられたが、常に人の
行動の中には自分以外の他人の影が付きまとう。

感情を出し始めたのは社会復帰に際して良いサインでもある。
彼女自身もそれを感じ始めたのか、怒りばかりでなく喜びの
感情など様々な表情が見え始めた。
そして母親と向き合いご飯を食べ、心の中をさらけ始めた
ところなど復帰はもう目の前という感じ。

しかし峰浩一は年上という設定なのか、なんでもよく相手の
事がよく分かるね。口数は少ないけれど、頼もしいお兄さん
役だ。しかしそんな彼の中にも自分の感情と対峙する現実が
有るという。意外な過去も語られたが、引きこもる人の多くは
感情の表現の仕方が下手な人なのではないかと思う。

さて今回は紅葉の大胆さと自由奔放ぶりが見られた。
普通自分が辞めた学校に向き合いたくなるのかなとか、
同級生が居る学校に足を運ぶ勇気があるものなのかなと複雑
な思いがさせられたが、告白にしても実にストレートで
彼女の明るさにフリースクールの人たちは助けられている所が
多いと思う。みんなが実家まで迎えに来る所など、とても
良い関係性が結ばれているね。

そして今回恵都は第一歩として俳優の道を歩むかどうかで
悩むことになる。7年前に時間を止める事になる相手の登場。
彼女とはやっぱり向き合わねばならないことなのか。
ヘアメイクのアシスタントとして田中圭くん登場。
彼の役目も両者に挟まれ重要な役どころになりそうだね。
今後とも楽しみなドラマです。

青山恵都 ……… 谷村美月
峰浩一 ……… 勝地涼 (PC好き)
園田奈子 ……… 高部あい (女優)
原沢大洋 ……… 石黒英雄 (恵都の幼馴染み)
野田紅葉 ……… 黒川智花 (裁縫好き)
青山知佳 ……… 荒井萌 (恵都の妹)
青山隆一 ……… 高橋ジョージ (恵都の父親)
鈴木剛太 ……… 木村了 (言葉を失う。踊りが好き)
青山由美子 ……… 賀来千香子 (恵都の母)
森口健太郎 ……… 生瀬勝久 (フリースクール校長)

10歳の奈子 ……… 鈴木理子
10歳の恵都 ……… 美山加恋

平野ユミ ……… 大島優子

小沢雅信 ……… 田中圭
町田志津江 ……… 大島蓉子
山口健 ……… 馬場徹
吉井真二 ……… 鈴之助
レポーター ……… 寺門ジモン

リサ ……… 中村映里子
美咲 ……… 麻生夏子
奈々 ……… 沢井美優

阿良川真士、荒川大三郎、岩崎紀世、川村幸代、水元秀二郎
阿部新

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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