CHANGE

脚本/福田靖

http://wwwz.fujitv.co.jp/change/index.html


第8話 別れ。そして逆襲


急いで警備の檀原が呼び出される。朝起きたら家から朝倉
総理の姿が無くなったというモノ。夕べは元気がなかったと
口々に言い始める。小児科医療対策の予算案が通らないから
か?それとも美山がやめたから居なくなったのか?
その場に集まる檀原、美山、ひかる、韮沢は、このことを
知っているのは四人だけだからという事で、見つかるまでは
食あたりに有ったことにしようという事になる。以前にも
同じ様なことがあり、その時は長野に行っていたので今回も
小学校に行っているのかも知れないとして急いで向かおうと
する。しかし美山の元に福岡の朝倉の実家から電話が鳴る。
啓太は実家で爆睡していた。啓太が目覚める頃には既に
美山が現地に到着していた。美山はこんな形で辞めて欲しく
ない事を告げる。母親はこんなボロボロになった啓太の姿
は初めて見たと言い、美山がやってきてくれたことで、
息子も少し元気が出たみたいだと告げる。
TVの報道に目を通す啓太は、落ち込んでおらず、すぐに
車で東京に向かう事を告げた。
東京に着くと美山は改めて別れを告げる。その姿を止める
事が出来ずお礼を言う啓太。
一方啓太は公務に戻り、生方や小野田と会う。
小児科医療の件で党を潰したのは神林であることを告げ、
政友党の飾りであるはずの朝倉が自ら政治を始めたのが
気に入らなかったのだろうという。神林という人物程計算
高くて、権力欲にまみれている男はいないという小野田。
これは戦争であり、神林を官房長官の座から引き下ろすよう
アドバイスする。そして主席秘書官を見つけるべきだと言う
と、啓太はひかるの事をみんなに紹介した。

政治家は政治に何を求めるのか。
神林は国民には背を向けて、権力闘争に明け暮れている。
朝倉は政治の派閥の枠には囚われずに、国民と向き合い
必要ならば敵対する相手にも頭を下げる。

美山にとって神林は政治家になるきっかけを与えてくれた人。
命を賭けて国民を守ると誓った人にしかなってはいけない
職業だと言われたことに感銘を受け、信じて付いてきた。
一度信じた人の事をなかなか否定するのは難しいと思うが、
今回改めて神林の自分本位の権力欲を見せつけて、彼から
孤立させる話しを描いた。

ホワイトハウスが神林に対してメッセージを送るという点で
実績と権力を描いているが、世論は朝倉を全面的に支持して
いる。小児科医療の件が通らなくても、国民は未だ朝倉を
支持している。金の力でつなぎ止める力が強いのか、
それとも国民の声を体現している朝倉の躍動的な力が強い
のか。

今回の展開の中でも少しずつ神林の思惑を打ち破る朝倉の
姿は面白いよう描かれていたと思う。
例え政治や政策のことが全く描かれていなくても、そういう
ドラマだと割り切ってみればとても面白いドラマだ。

朝倉は神林を罷免するのか。
当然ながらドラマの定石からしてみればそれを発動すること
などするはずもない。朝倉の行動は至極真っ当なものだった。
サプライズはその後の神林の行動。
世論を武器にした朝倉の行動を独裁者と呼び捨てる神林の
態度にあった。
証明する事の出来ない政治家の灰色の部分を上手く抽出して
それを巧みに利用する。ただ世論が朝倉を支持する中で、
神林の行動がどれ程効果を得るモノなのか。

中途半端な態度を見せている政治家達が簡単に右に左に
どちらの権力者に付くのかで揺れ動き過ぎている気もするが、
その辺は短いスパンのドラマなので仕方がないかな。

朝倉啓太 ・・・ 木村拓哉 (総理)
美山理香 ・・・ 深津絵里 (総務会長の秘書)
神林正一 ・・・ 寺尾聰 (日本政友党・総務会長)
宮本ひかる ・・・ 加藤ローサ (後援会長の姪っ子)
月丘瑠美子 ・・・ 堀内敬子 (医師)
近藤光輝 ・・・ 風間杜夫 (主席秘書)
鵜飼武彦 ・・・ 伊東四朗 (内閣総理大臣)
小野田朝雄 ・・・ 中村敦夫 (幹事長)
二瓶栄 ・・・ 神山繁 (二瓶派)
垣内達彦 ・・・ 大林丈史 (外務大臣)
朝倉貴江 ・・・ 富司純子 (母親)
韮沢勝利 ・・・ 阿部寛 (選挙プランナー)

生方恒夫 ・・・ 石黒賢
鴨志田 ・・・ 東根作寿英
高柳 ・・・ 河野洋一郎

百坂哲也 ・・・ 西村雅彦 (財務省)
郡司敏夫 ・・・ 平泉成 (経済産業省)
西誠二 ・・・ 矢島健一 (外務省)
秋山太郎勘助 ・・・ 鈴木浩介 (警察庁)

森重 ・・・ 隈部洋平 (神林の秘書)
檀原段 ・・・ 大倉孝二 (SP)

唐沢民賢、野村信次、小長谷勝彦、明石知也、長倉正和
松川貴弘、徳永淳、山田洋、浅木信幸、川又シュウキ
大野慶太、外園大、麻倉卓也、佐藤幹、矢萩理恵、岩崎恵子
阿部ゆり亜、藤原正和、川合千里、積圭祐、浅里昌吾
熊谷美香、山口景子、枝村みどり

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system