コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- 脚本：林宏司 http://wwwz.fujitv.co.jp/codeblue/

第6話 無償の愛

翔北救命救急センターに藍沢の祖母・絹江が運ばれてくる。
買い物途中に転倒して大腿骨を骨折。しかしその時耕作は別の
患者の対応に出ていた。
一方藤川の元には、微熱と腰痛、吐き気を訴える患者・小田浩一
がやってくる。内診では原因が特定できず、患者から藤川は
罵声を浴びせられる始末。そんな時、患者の息子・久志から
話しがあるという。自分が父親を呪いを掛けたのだという。
そういうとバックの中から人形を取りだした。
藍沢の元にDr.ヘリ要請の無線が入る。その時同時に祖母が病院
に運ばれることを知らされるが、耕作は治療が済んでいるの
ならば祖母の件は後で良いとして、ヘリに搭乗し現場へと向かう。
運ばれる患者は53歳男性。屋根から転落した小田浩一という患者
だった。しかし患者は屋根から転落した割りに、手や足で防御
した跡が無く、怪我の跡が不自然にも思えた。付き添ってきた
娘・有美は自分は悪くないと呟く。

今回は三者三様の親子関係を取り扱う話しだ。

互いにどんなに辛く当たろうとも、どんなに死ねと願おうとも、
結局の所、どんな親子であっても親子としての情は存在しており、
それが病気の事実によってあぶり出されていく展開だった。

藤川は原因不明の微熱と腰痛を訴える患者を扱う。
原因が特定できないことから、息子の言うように黒魔術が作用
しているのかというコメディタッチの演出。
冴島はるかの活躍によってその病気が特定される。

また自分勝手な娘との間で衝突している患者のケースも扱う。
ケンカが出来るのも相手がいるからこその事であり、ウザイとか
居なくなれと思ってみても、いざ本当に居なくなると分かった
瞬間に心が折れてしまう物語を描いた。

全ての物語は並列に描かれ、それが最後の耕作の親子の物語に
繋がっていく。
患者が居るのに家族だからと言って特別視出来ないとする耕作の
非情にも思える行動の真意は何処にあるのか。
三井環奈からも一目置かれる程の耕作の外科医としての冷徹さ。

今回のドラマの面白い点は、患者の祖母側も認知症を患って
おり、耕作とは別の角度から親子の情愛を否定するような
冷徹さを描いていることである。息子同然に育てた耕作の顔を
忘れてしまうという非情な展開。この相反している2つの家族
をどのようにして親子の情愛を感じるよう仕立て上げるのかが
ドラマとしての最大の見せ場である。

認知症の患者でも、一番強く念じている事を上手く行動によって
表し、無償の愛を描いた今回のシナリオ。
それとは対照的に冴島家の親子の事情は最小限にしか語られずに
親子としての絆を断っているという悲しみのエピソードが何とも
言えない余韻を引き起こしている。

不幸な境遇で育った耕作に更なる不幸をぶつけて悲しみを煽る展開
ではあるが、最後に涙したことにより、彼の中にも静かなる親子
の情愛が存在して安心すると共に、感情の無い様な無味無臭の役しか
出来ないと評価を受けている山下智久の演技の良さが逆に上手く
引き出された格好ですね。

藍沢耕作： 山下智久
白石恵：新垣結衣
緋山美帆子：戸田恵梨香
冴島はるか：比嘉愛未 ...フライトナース
藤川一男：浅利陽介
田所良昭：児玉清（特別出演）...救命救急部部長
森本忠士：勝村政信 ...整形外科が専門
梶寿志：寺島進 ...ベテランパイロット
西城章：杉本哲太 ...脳外科部長
三井環奈：りょう ...産婦人科と新生児医療の専門医
黒田脩二：柳葉敏郎 ...専門は胸腹部外科

轟木聖子 : 遊井亮子
安西康行 : 樋渡真司
大原澄子 : 池田貴美子
村田香織 : 金田美香

guest
藍沢絹江 : 島かおり
小田浩一 : 大高洋夫
上村秀雄 : 北見敏之
上村久志 : 熊谷知博
小田有美 : 伊藤麻里也

田窪一世、隈部洋平、田口主将、佐野珠美

評価：★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)