ゴンゾウ 〜伝説の刑事

脚本/古沢良太

http://www.tv-asahi.co.jp/gonzo/


第3話 目撃者ロダン


事件発生の日。現場で銃声を聞きつけ現場に駆け寄る浮浪者
の姿があった。周りの仲間からは3年間一度も話している所
を見たことがない事からロダンと呼ばれる男。事件発生から
2日、3日と過ぎ、黒木が負傷した寺田の代わりに捜査に加わる
事になる。意識を取り戻した遠藤鶴の証言から、天野もなみを
優先的に殺害しようとしていた事が分かる。そして服装など
聞き出した。もっと何かを見たような気がするが思い出せない
鶴はもどかしい思いに駆られる。黒木が捜査に加わったことで
同じく現場の人たちは口々に噂し始める。幾つもの黒木に
関する伝説が残っており、第7係は最強と言われていた。
それは疲れ知らずの強靱な体力と天性の直感を兼ね備えた黒木
によるところが大きかったという。しかし黒木自身の煮え切ら
ない態度に、佐久間は本気になって見て刑事として通用しない
ことが分かるのが恐いのか?と嫌みを語る。
黒木は現場近くに居た浮浪者に声を掛ける。
すると話さないハズのロダンは突然口を開き始める。
事件当日銃を突きつけて、警察に話せば殺すと脅されたと証言
する。そして段取りよく似顔絵作成までこぎ着けた。

殺人事件としては相変わらず展開が進む気配がないが、
ドラマとしてはなかなか面白い人情ドラマとして出来上がって
いる。

ドラマを見ているとどんな人間の中にも弱さというもの
が存在しており、人生は成功ばかりではないことが伺える。

今回はそんな例を3人の人生の中から描いた話しでもある。

周りから鉄人と呼ばれた寺田順平は、自分の中では限界を
感じて引退を決意している刑事の一人だ。孫の居る身で、
保守的に成らざるを得ない年齢に達している事を例に挙げ
負傷を機会に一線を退く覚悟。

今回出てきた重要証言者だと思われたロダンこと杉浦正彦。
あまりにも段取りよくドラマが進むので可笑しいとは思ったが、
この人にも成功者としての顔と失敗者としての顔とが存在し、
人生にもがき続けている今がある。
黒木復活のために面白くロダンのエピソードが利用された格好
だが、そんな黒木もロダンの事を決して他人行儀で見られない
一面が存在している。

失態続きの今回だが、塩おにぎりが人生の再スタートとして
使われ、前向きなドラマになった事で、見た後にも何処か
スッキリする内容だった。

佐久間は何故黒木に拘り、彼を立ち直らせようとしているのか。
今回その一端が描かれたわけだけど、彼は黒木にプライドを
踏みにじられる様な過去が存在しているのだろうね。
絶好調な時にいる彼に思い知らせたい事があるような感じだが、
過去の二人には一体どんな因縁めいたことが有るのだろうか。

黒木俊英 : 内野聖陽(39) 井の頭署会計課備品係係長
佐久間誠一 : 筒井道隆(36) 本庁捜査一課殺人捜査13係係長
遠藤鶴 : 本仮屋ユイカ(23) 井の頭署の新人刑事
松尾理沙 : 大塚寧々(34) 精神科医、黒木の担当医
日比野勇司 : 高橋一生(27) 井の頭署 巡査
寺田順平 : 綿引勝彦(59) 井の頭署 巡査部長
天野もなみ : 前田亜季(24) バイオリニスト
氏家隆 : 矢島健一 警視庁
岸章太郎 : 菅原大吉 警視庁
田端ルミ子 : 吉本菜穂子 井の頭署会計課備品係

guest
杉浦正彦 : 金田明夫
杉浦詩織 : 邑野みあ
杉浦芙美子 : 小野洋子
飯塚慎吾 : 加藤虎ノ介
小倉 : 青山勝 警察官
森岡 : 小林正寛 警察官
川渕 : 戸井田稔 警察官・所長

鈴木弘秋、鈴木明日香、林田一高、柳橋朋典、清水圭吾
田中宏樹、藤岡太郎、佐倉徹、橋村琢哉、金沢まこと、春衣
鈴木康太、井殿雅和、竹内和彦

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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