ゴンゾウ 〜伝説の刑事

脚本/古沢良太

http://www.tv-asahi.co.jp/gonzo/


第5話 幻の拳銃


2008年3月(事件発生の4ヶ月前)。
(有)津田金属製作所で働く津田栄一郎。
息子や娘からは旋盤回して食っていける時代ではないことを
告げられ、会社をたたむよう説得を受ける。しかしまだまだ
取引先が有るとして電話を切る栄一郎。彼が作るのは拳銃だ
った。
2008年8月。黒木は署内で髭を剃り、体力作りを心がける。
これまで無精髭を生やしてダラダラした生活とは一変した姿に
ルミ子も驚く。
鶴は退院した後、天野もなみ殺害現場に花束を持って行くと、
TVレポーターたちが取材に来ていた。彼女は署に戻り、
自分が生き残った事にも意味が有るとして、頑張る事を告げる。
一方事件が一向に進展しない事から、本署から渋沢歳三が
陣頭指揮を執る佐久間らに圧力を掛けるためにやってくる。
拳銃の手がかりは何か無いのかと問われるが、32口径で廻転式
の銃で有ること、更に線状痕のデータが無い未知の拳銃で有る
事を告げると頭を抱える。世論が有る手前、悠長な事は言って
いられないとしてカツを入れる。
渋沢はかつてのエースである黒木の話しを聞きたいとして彼を
呼び出す。黒木は密売組織を一つ一つ潰していくことを提案。
時間と手間が掛かりすぎるとして佐久間は反対するが、その案
にも一理あるとして渋沢は黒木の提案を採用する。

今回は犯人にたどり着く為の一つの証拠である拳銃から物語
が発展していく話だった。

雷なる拳銃。昭和28年に警察で採用されるかどうかで争った
ことの有る国内産の銃だという。
何故今回ブローカーの綿貫清がこの銃の事を知っていたのか。
たった5丁しか存在しなかった銃の事を知っているという事は、
何処かで警察と接点が有るのだろうか。
正直そんな銃に拘りを見せるブローカーの真意が分かりづらく、
かつての雷プロジェクトの生き残りである津田栄一郎を探して
まで発掘させる意味が有るのかどうか。

ドラマでは黒木の過去の一端に触れる内容だった。
ゴンゾウと呼ばれていた頃とは違い、立ち直りつつ有る彼の
凛々しい姿とは対照的に、ゴンゾウに転落する頃のエピソード。
人形を持った少女は果たして誰なのか。
かつて信じてくれた人を殺したという過去。そして自らも自殺
したという過去。栄一郎がビルの屋上から落ちていく映像と
オーバーラップした黒木の映像が交錯する所に、複雑な心境が
伺える。

ドラマとして面白かったのは、やはり黒木が立ち直りつつ有る
現状だろうか。黒木が認められると同時に佐久間の肩身が
狭くなると言う相反する立場がドラマをとても面白く彩る。
森岡らが本人に聞かれているとも知らずにトイレで佐久間の
陰口を叩くシーンは、とても面白いコントだった。

かつては日本の経済成長を支えてきた金属加工業である栄一郎
が、銃の再生に手を貸したという理由も複雑なモノがあり、
ドラマを深いモノとしている。

さて今回はやはり事件として進展していきそうな青空クラブ
なる存在が明らかになる。遠藤鶴がいち早くその存在に気が
ついた訳だが、この組織がどのような形で一連の殺人事件に
関わってくるのか。今の所天野もなみとの接点が分かって
いないので、なんとも言えないのだが、岡村和馬が町に屯する
若者に注意している姿があったね。天野もなみは音楽で人を
救うことが出来ると言っていたので、その辺に何か設定を
見出すことが出来るか。

黒木俊英 : 内野聖陽(39) 井の頭署会計課備品係係長
佐久間誠一 : 筒井道隆(36) 本庁捜査一課殺人捜査13係係長
遠藤鶴 : 本仮屋ユイカ(23) 井の頭署の新人刑事
松尾理沙 : 大塚寧々(34) 精神科医、黒木の担当医
日比野勇司 : 高橋一生(27) 井の頭署 巡査
寺田順平 : 綿引勝彦(59) 井の頭署 巡査部長
天野もなみ : 前田亜季(24) バイオリニスト
氏家隆 : 矢島健一 警視庁
岸章太郎 : 菅原大吉 警視庁
田端ルミ子 : 吉本菜穂子 井の頭署会計課備品係

guest
津田栄一郎 : 左とん平 ((有)津田金属製作所。)
渋沢歳三 : 中村育二 (一課長、警視正)
藤岡 : 工藤俊作 (暴力団)
綿貫清 : 櫻井章喜 (拳銃ブローカー、通称タヌキ)
岡村和馬 : 白井晃 (日本青空クラブ・会長)
乙部功 : 内田朝陽 (日本青空クラブ・会員)
綾乃 : 三輪ひとみ
中村 : 友田孝章
佐久間絹江 : 有馬稲子 (誠一の母。要介護)
小倉 : 青山勝 警察官
森岡 : 小林正寛 警察官
川渕 : 戸井田稔 警察官・所長
レポーター : 中野若葉

飯沼慧、鈴木弘秋、林田一高、清水圭吾、池田貴宏、佐倉徹
竹内和彦、五味良介、水谷悟、津村雅之

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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