ゴンゾウ 〜伝説の刑事

脚本/古沢良太

http://www.tv-asahi.co.jp/gonzo/


第9話 真犯人


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"捜査会議を始める"。
これまでの事件の経過をみんなの前で説明する黒木。
黒木は日比野と共に飯塚早苗の消息を追うことに、そして
鶴は寺田と共にバッグを盗んだ男について捜査を行う。

東京に出てきた飯塚と一緒に生活していた劇団員の女性に
色々と話しを聞く。彼女は昼と夜の仕事を行ったり来たり
していたという。町中で色々と話しを聞いていると黒木たちを
尾行するものの存在に気がつく。捕らえてみると岸だった。
彼は氏家に頼まれ黒木らの様子を探っていたという。
黒木は事件をひっくり返すには弱いネタだが、捜査する価値
は有るとして今の仕事を継続する意思を見せる。そして
こんな気分の良いのは久しぶりであると告げ体調は万全である
事をアピールする。すると岸から意外な情報を得ることになる。
岡林の猟銃には暴発するような仕掛けがしてあったというのだ。
自爆するつもりで自分で積めたのか、それとも誰かが意図的
に罪を着せるために火薬を積めたのか。

休暇中の佐久間に氏家が接触。黒木達が捜査している現実を
踏まえて、殺人犯ではない男を射殺したとなると不味いのでは
ないかと告げる。しかし佐久間は冷静に、氏家自らが立場を
気にしているだけだとして、黒木達のことは放っておけば良い
と告げる。黒木は刑事としてはもう終わった人だと告げる。

備品室を捜査本部にしている黒木達は、みんなが集まり今日の
成果を伝え合う。すると黒木は鶴の言っていた意味が判明した
のではないかと告げる。もなみが死んで鶴が生き残った理由。
犯人はもなみを一発で仕留めたのに、鶴は脇腹に一発喰らわした
だけで逃げたのは、生き残ったのではなく目撃者として利用
するために生かしたのではないかというものだった。
足を引きずるところを見せつけるために・・・
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ついに真犯人にたどり着く。

飯塚早苗という人物の存在を見つけてからと言うもの、ドラマ
が劇的に動き始めた。

三年前の事件と今回の事件に繋がりが有ることはとても興味深い
流れだし、これまでに何度となく聞いていた言葉の意味が、
一つの事実と共に180度意味合いが変わっていくところなど、
とても出来過ぎなくらいよく出来ている。
死人に口無しとはまさにこのことで、死人に口が有れば、
ここまで黒木が追いつめられることもなかっただろうし、
天野もなみという新たな被害者を出すことも無かった事を
考えると、本当に皮肉なものだと考えさせられるものがある。

黒木の身近で起こる事件なので、犯人は黒木を知る人物なのか
と思えば、犯人と黒木に直接繋がるものはなく、それでいて
まるで強固な関係とばかりに、彼にまとわりついてくる事件
の陰が実に嫌らしい作りは、上手いと感じさせるものだと思う。

何と言ってもこのドラマ、主人公だけでなく脇役達も余すこと
なく使う作りが見事である。

結果的に鶴が潜入捜査の事実を口外していた事。
その流れから物証固めが始まっていくわけだけど、これからの
事件は鶴に始まり鶴で終わりそうな作りもまた面白いね。

これで黒木は佐伯杏子の影を払拭できるのだろうか。
予告を見ると銃弾に倒れていたような感じもするが、犯人に
対してどのようにアプローチし、どう処理していくのか。
佐久間とのその後の関係もどのように描かれるか楽しみ。

黒木俊英 : 内野聖陽(39) 井の頭署会計課備品係係長
佐久間誠一 : 筒井道隆(36) 本庁捜査一課殺人捜査13係係長
遠藤鶴 : 本仮屋ユイカ(23) 井の頭署の新人刑事
松尾理沙 : 大塚寧々(34) 精神科医、黒木の担当医
日比野勇司 : 高橋一生(27) 井の頭署 巡査
寺田順平 : 綿引勝彦(59) 井の頭署 巡査部長
天野もなみ : 前田亜季(24) バイオリニスト
氏家隆 : 矢島健一 警視庁
岸章太郎 : 菅原大吉 警視庁
田端ルミ子 : 吉本菜穂子 井の頭署会計課備品係

guest
岡村和馬 : 白井晃 (日本青空クラブ・会長)
佐久間絹江 : 有馬稲子 (誠一の母。要介護)
小倉 : 青山勝 警察官
森岡 : 小林正寛 警察官
川渕 : 戸井田稔 警察官・所長
佐伯杏子 : 池脇千鶴
杏子の幼少期 : 小野花梨

飯塚慎吾 : 加藤虎ノ介
飯塚早苗 : 遠野凪子
中村 : 反田孝幸
綾乃 : 三輪ひとみ
乙部功 : 内田朝陽

鈴木弘秋、林田一高、清水圭吾、五味多恵子、金沢まこと
松浦唯、岡村日向子、麻井香音、河本千明、中村玄悟

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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