ホカベン

脚本/阿相クミコ、浜田秀哉、九茂周
脚本監修/秦建日子

http://www.ntv.co.jp/hokaben/

第3話 少年法が守ろうとするもの

駅のホームで18歳の少年・川原徹が肩がぶつかったのを
理由に被害者・宇佐見拓男を鉄柱にぶつけて殺害した。
被害者の遺族・宇佐見千枝子から相談を受ける堂本灯。
加害者側の母親・川原友江の代理人・大沢寛文弁護士から、
示談金の1000万円と加害者の少年からの反省文を提示され、
なんとか息子を殺人罪で刑務所にだけは行かせたくない旨を
語られる。示談の話しをしにいく灯だが、友江は断固拒否する。
欲しいのは金や反省では無く、罪を償う事だという。
法の下でその罪を追求して欲しいと告げるのだが...。

とても良くできた話しだと感じると共に、ドラマではとても
狡い逃げ道を用意した格好だ。

本来この手の事件であれば、少年法に於ける被害者側の意向を
無視した過剰なまでの加害者保護の観点を訴えるべき内容である。

新人弁護士である堂本灯に示談にはタイミングが有ることを
分からせる所で終わるべき過酷な結果が待っている所を、
ドラマでは助け船を用意している。まぁ見ている方も負けっ
放しじゃ腹が立つからガス抜きは必要なんだけどね。

さて少年法の行き着く先に待っていたのは、親の監督責任を
追求する損害賠償請求だった。

ドラマがあのまま負けていれば、この少年は人を殺した
にも関わらず、まるで蚊を一匹殺したくらいの感覚しか
残らなかっただろう。
それを監督する母親も刑務所に行かない事が分かった途端、
示談金を取り下げるという事は、ある意味、反省とは別の意味
での謝罪しか持ち合わせていなかったことになる。

被害者の家族が家屋も家庭も全てを奪われようとしてにも
関わらず、大きな家に住んでいる加害者家族の嫌らしさが
対照的に描かれ、示談金を取り下げる態度に何の悪びれた
様子も見せない。そんな立場を上手く逆転させるという実に
痛快克つ良くできた反転劇である。

加害者家族が全てを失い可愛そうに見えるかも知れないが、
私にはざまぁみろくらいにしか感じなかった。
それくらい責任の大きさを感じて欲しいもので、この期に
及んで金を割引してくれだという母親の良心を疑う内容
だった。

それにしても最後に出てきた工藤怜子の話しも凄かったね。
弁護士は依頼人次第で天使にも悪魔にもなることを堂々と
言ってのけるところは、堂本灯とは正反対の人物。
今後どういった形で彼女たちと絡んでいくのか楽しみだ。

堂本灯 - 上戸彩
杉崎忠志 - 北村一輝
片瀬 理一郎 - 加藤成亮(NEWS)
工藤怜子 - りょう
倉木しおり - 戸田菜穂
吉川瑞穂 - 中山恵
堂本美代子 - かとうかず子
森岡哲夫 - 大杉漣
財津正人 - 篠井英介

guest
宇佐見千枝子 - 鈴木砂羽
川原友江 - 朝加真由美
大沢寛文 - 田中哲司
川原徹 - 佐藤祐基

勝部演之、田窪一世、永井浩介、渡邊紘平、須永慶
広田雅裕、中村麻美、陰山泰、神道寺こしお、松下修
井上浩、木川淳一、松沢有紗、日下部千太郎、松尾英里子
中島けんこう、森大悟

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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