ホカベン

脚本/阿相クミコ、浜田秀哉、九茂周
脚本監修/秦建日子

http://www.ntv.co.jp/hokaben/

第6話 いじめ殺人!?少年の未来を救え

布田武史が亡くなった事について、遺族の声を無視して
段取りよく闇に葬ろうとしている工藤怜子の弁護方針に
納得できない灯。
同期の片瀬は、エムザでの灯の立場が悪くなるのを嫌い、
これ以上単独の捜査を辞めさせようとして、彼女が所持して
いた布田武史に対するイジメの事実を裏付ける辞書を破いて
しまう。しかし破いた辞書は、布田武史のものではなく、
折本幸広のものであることが判明する。
直接彼に会うと、布田は折本をいじめていたばかりか、
機嫌の悪いときはクラスの大半をいじめの場面に引っ張り
出し、一対一で喧嘩をさせていたという。親や先生の前では
全く別人の顔を持ち、嘘が得意で時々仮病を使っては
保健室に行っていたと証言する。
そんな折り、遺族の父親・布田康彦が杉崎忠志に紹介された
弁護士を引き連れ、学校側に損害賠償請求を突きつけてくる。
1億8000万円という示談に応じなければ裁判を起こすとの事。
しかしそんな事実を聞いても、弁護士の工藤は焦った様子も
見せず、灯が持ってきた布田武史がイジメの加害者である
事実が裁判で有利に働くとして気にも留めていなかった。

とても良くできた話しなんだけど、どの人物にもなんとなく
嫌な面が存在して、何処か心情的に共感できない話しだった。
それは真相を明らかにしようとする堂本灯にも当てはまる話し
で、正しいことをしているこの人間も何処か嫌な存在に思えて
しまう。

しかしドラマは2話に分けて、違った角度からこのドラマを
描いたという意味でとても興味深い話しだった。
今季のドラマの中では脚本として一番しっかりとしている
ドラマだと思う。

今回のドラマがとてもよく出来ていた理由は、やはり何と
言っても加害者の責任を見逃すことにより、どんな苦しみが
待ち受けているのかを一つの先例を示して描いている点だと
思う。

意味ありげに杉崎忠志の前に躍り出る富田大介。
この人物は犯罪の加害者であるにもかかわらず、毎回杉崎の
弁護によって減刑されるいる役だと思うが、この人物の現状が
今回学園で起こした矢沢修と三池亮平の心情とオーバーラップ
している点が実に興味深い。

イジメの事実と遠泳事件に対する真相究明の過程も、きちんと
した理由として存在しているし、段取りよく真相にたどり着く
など、とても面白く見ることが出来た。

子供達が発している信号を教師や親たちが見逃していた為に
起こった事件という事で、真相を知りつつも敢えて目を瞑ろう
としているエムザ弁護士事務所の事も暗に否定している所が
良いね。
社会で起こっている歪みの一端は、弁護士にもその責任が
有るのかも知れない。そう感じさせる展開でドラマとしては
敢えて堂本灯を先頭に立たせなくても伝わってくる主張では
有ると思う。

堂本灯 - 上戸彩
杉崎忠志 - 北村一輝
片瀬 理一郎 - 加藤成亮(NEWS)
工藤怜子 - りょう
倉木しおり - 戸田菜穂
吉川瑞穂 - 中山恵
堂本美代子 - かとうかず子
森岡哲夫 - 大杉漣
財津正人 - 篠井英介

guest
布田康彦 - 山崎一 (遺族の父)
大塚哲也 - 東根作寿英 (担任の教師)
富田大介 - 大倉孝二 (杉崎忠志のクライアント)
布田武史 - 桜田通 (臨海学校中に溺死)
折本幸広 - 染谷将太 (武史と同じ班の生徒。下駄箱にて)
矢沢修 - 田辺季正 (武史と同じ班の生徒。バスケをする)
三池亮平 - 落合扶樹 (武史と同じ班の生徒。バスケをする)

永井浩介、尾崎右宗、みやなおこ、矢嶋俊作、小倉馨
築山万有美、高橋雄一、田辺季正、石崎直
高橋伯明、上田光明、重廣礼香、野村涼乃、野杁俊希

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system