ホカベン

脚本/阿相クミコ、浜田秀哉、九茂周
脚本監修/秦建日子

http://www.ntv.co.jp/hokaben/


第9話 弁護士を弁護!私、辞めます


灯の元に一本の電話が鳴る。
お前らのせいで犯罪が無くならない。被害者の気持ちも考えろ
という。
7年前の事件の件で被害者の遺族・鈴木政恵が損害賠償訴訟を
起こす。被告は加害者ではなく、加害者側の弁護士・杉崎で
有り、彼を雇っているエムザ法律事務所。
最初は小さな新聞記事から始まった原告側の訴えも、次第に
エスカレートし、TVの生放送に出演してからと言うもの、
マスコミはこぞって取り上げるようになる。
弁護士への損害賠償請求は今までに前例がない。責任の重さ
と引き替えに社会的立場と高額の給料を得ているので、責任
を取るのは当然だというのは、原告側弁護士・不破憲一
だった。

今回の脚本家は秦建日子さん。

今回このドラマのテーマが改めてあぶり出されると共に、
陰に潜んで虎視眈々と活躍の場を求めていた杉崎が、ついに
表舞台に出て、弁護士としての問題点を追求する話しとなった。

やはり何と言っても興味深いのは、杉崎がどの段階から
弁護士としての正義ではなく、人間としての正義に目覚めたの
かが一連のドラマの中で分かる点だ。

今までのドラマの中では、杉崎というキャラクターはある種
のダブルスタンダードの中で法律とは何かを唱えてきた。
この人の中に人間としての良心は備わっている事は明らかだが
今までどちらとも取れない態度の中、かつての情熱を失って
いるのではないかと思わせる作りは見事だと思う。

弁護士としての理想的な存在である杉崎。
才能に溢れ、法を知り尽くした男。

エムザの弁護士はみな彼を目標にしているという事からも
彼の優秀性が伺い知れるが、弁護士から好かれる弁護士と
市民や弱者から好かれる弁護士の違いが面白いようにあぶり出さ
れている所がこのドラマの興味深い点である。

そんな理想に近い弁護士である杉崎も、本来ならば今回の原告の
弁護士・不破の位置に立ちたいと思っている人物であるという
所がドラマとしては絶妙であり複雑な状況では無いか。

灯が灯で居られるよう杉崎が計らうのは、不破の代理人として
活躍しろという事。

法を知り尽くした男は、我が身を犠牲にして法の問題を指摘
する。やっぱり北村一輝の役どころは格好良いね。

堂本灯 - 上戸彩
杉崎忠志 - 北村一輝
片瀬 理一郎 - 加藤成亮(NEWS)
工藤怜子 - りょう
倉木しおり - 戸田菜穂
吉川瑞穂 - 中山恵
堂本美代子 - かとうかず子
森岡哲夫 - 大杉漣
財津正人 - 篠井英介

guest
不破憲一 - 勝村政信 (原告側弁護士)
黒川重徳 - 中丸新将 (元不破の上司)
鈴木政恵 - 伊佐山ひろ子 (被害者遺族)
富田大介 - 大倉孝二 (犯罪者)
服部芳雄 - 大高洋夫 (被害者遺族)
服部和子 - 木村理恵 (被害者遺族)
鈴木亜希子 - 中村麻美 (被害者・自殺)

渡邊紘平、林和義、平川健太郎(アナ)、村山喜彦(アナ)

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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