ホカベン

脚本/阿相クミコ、浜田秀哉、九茂周
脚本監修/秦建日子

http://www.ntv.co.jp/hokaben/


第10話 私は法律の正義を信じる


担当弁護士及びエムザに一億円の損害賠償を請求する。
杉崎が被害者遺族の鈴木政恵に訴えられた。
手伝うという堂本に杉崎は俺の裁判だからと協力を拒む。
そんな中、不破が刺される。杉崎は不破の変わりにお前が
弁護しろと灯に告げる。
不破は一命を取り留める。不破は昔に比べれば大した痛み
ではないという。彼も以前は大手弁護士で自分を偽り弁護士
としての使命を全うしていた一人。自分の良心を偽り弁護
していた時に比べればずっと良いという。
灯は自分が不破の変わりに原告の代理人になるべく、エムザ
に辞職を突きつけることになる。
辞める際灯は、弁護士としてやっていけるか、やっている事が
正しいのかはよく分からないという。しかし一度信じようと
思った人の事を信じて、信じた道をとことん歩こうと思うと
告げる。

依頼人が再犯するのを知っていたにも係わらず、クライアント
の利益ばかりを追求した弁護士に対して、懲罰的損害賠償を
課すことが出来るのか。
灯が信じる杉崎を自らの手で罪を追求していく。

まぁこうなるしかないエンディングって感じだった。
あのままドラマが描かれているとしたならば当然、杉崎に罪を
問うことなど出来ないわけで、作りとしては結果を問うこと
よりも一石を投じる事になる過程にこそ大事だという作り
だった。

正直もう少し深い内容になるかと思っていたが、最終回だけ
を見ればやはり日本のドラマらしく、表面的なものばかりを
すくい取った感じで、弁護士としての正義と人間としての
正義を戦わせる内容ではなく、証言人頼みの展開が用意
された格好だ。
短い時間の中で描かれているドラマなので仕方がないとはいえ、
犯罪者の良心に頼るというのは都合が良く、しかも再犯性の高い
性犯罪者にその良心を訴えるというのは、流石にリアリティ
としては欠ける気がした。

堂本灯に圧力をかける男が居たが、不破憲一にばかり有無を
言わせずナイフを突き刺し、彼女には脅しだけというのも
説得力がない。

ただ今回のドラマを見ると弁護士には二つの種類の人間が
居ることが面白いようにあぶり出されたのではないかと思う。
誰もが最初は堂本灯の様な信念を持ち合わせていたのか
気になるところだが、人間の持つ二面的な一面がそのまま
弁護士としての仕事の中に現れて居るんじゃないかという
気がしてとても面白い部分だったと思う。

そして人間が作った法律という武器は、完璧な存在ではない
事。人間そのものが完璧な存在ではないことを訴えるような
内容だった点は、とても深いところではある。

このドラマが好きな人は、是非ともハリソン・フォードの
「心の旅」を見て欲しいですね。

堂本灯 - 上戸彩
杉崎忠志 - 北村一輝
片瀬 理一郎 - 加藤成亮(NEWS)
工藤怜子 - りょう
倉木しおり - 戸田菜穂
吉川瑞穂 - 中山恵
堂本美代子 - かとうかず子
森岡哲夫 - 大杉漣
財津正人 - 篠井英介

guest
不破憲一 - 勝村政信 (原告側弁護士)
黒川重徳 - 中丸新将 (元不破の上司)
鈴木政恵 - 伊佐山ひろ子 (被害者遺族)
富田大介 - 大倉孝二 (犯罪者)

渡邊紘平、永井浩介、林和義、篠原功生、ノゾエ征爾
滝沢涼子、河内隆志、山村一夫、三浦剛、渡辺憲吾
新井みか、瀬戸将哉、佐々木睦、松田智恵子、吉川麻美

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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