風のガーデン

脚本/倉本聰

http://wwwz.fujitv.co.jp/garden/index.html


第7話 サポナリア


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岳とコラボレートして曲を演奏していたころにルイが家に戻っ
てくる。岳がガブリエル、そしてルイを互いに紹介するも
ルイはその場から立ち去ってしまう。普段はこの時間には絶対
に来ないという。ガブリエルは調子に乗りすぎたとして落ち込
む。あの人に謝っておいてくれとして貞美は立ち去る。
追いかけてくる岳にこれ以上はついてきては駄目だと静止する。
ルイが再び戻ってくるころには貞美は姿を消していた。
ルイは岳に質問をするが、岳は無礼にも何も言わず立ち去った
ルイの事を怒っていた。ガブリエルなんて呼び捨てするなと
いう。ルイは岳にどんな事を話したのか尋ねる。母親のこと、
そして父親のことを言ったという。父親は天国にはいけないと
言っており、生前に悪いことをしたのだという。天使は森の
奥に行ったという事を知り、ルイは追いかけようとするが、
岳は追いかけては駄目だとして制する。

修の元を訪れるルイ。彼女は森の奥へと一緒に来て欲しいと
頼む。変わりにバーに付き合うという。
森の奥へと足を運ぶとキャンピンクカーが一台無造作に置かれ
ていた。ルイはドアを叩きガブリエルの事を呼ぶも中には
いなかった。
バーに付き合うと修はあれこれ自分のことを語るが、ルイは
先ほどの父親のことを思っていた。修が全く話を聞いていない
事に気がつき、突然彼女に結婚しようと申し出る。するとルイ
はようやく笑顔を見せ始めた。

貞美は一旦身辺整理のために東京に戻ることになる。
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ついに岳だけでなく、ルイもまた父親と対面を果たす。
どのようにして自分の存在を受け止めてもらうのか。

父親の事をガブリエルに見立てた展開がとても面白く、効果的
な使われ方をしていると思う。天使の存在を決して疑わない
岳。何処まで純粋なんだ!?
父親について色々と不満が有ることは確かだろう。ただ岳が
信じて疑わない天使の存在をルイがぞんざいに扱うわけが無く、
貞美にとっては最初に岳に取り入る流れは実に上手い戦法で
あると言わざるを得ない。
岳を取り入れたことで彼の支援をもらいルイと対峙することが
出来る。
今後は岳とルイを取り入れることで、貞美はラスボス・貞三と
対峙することが出来るんだよね。

さて貞美が自分の罪に苦しんでいることは、天国に行けないと
する岳からの間接的なやりとりでルイに伝わった。
森に行ったとする彼を追い掛けるときの、熊に怯える修の姿は
確かに面白かった。
それよりもこのドラマの中で修とルイが一緒にバーに行くことは
決して無いと思っていただけに、今回の絡みは面白い方向に転が
ったなと思う。

意外とルイは父親を受け止めるのが早かった。まさか自分が
年の離れた妻子持ちの男性と付き合っていた事実を、久しぶり
に会う父親に話すとは思わなかった。
父親と再会し恨むべきハズなのに、喜びの方が勝っていた感じ
で、ルイは自制心が備わった大人な女性だね。

貞美が帰郷している事実を、どうやって貞三に伝えるのかなと
思っていたけど、住民が会話しているのを聞いてしまうのね。
一番無難な伝わり方なのかな。

しかしこのドラマを見ていると貞美のエゴな一面と罪な部分が
垣間見えてくる。
このまま面会せずに東京で静かに亡くなれば、ルイが悲しむ事
は無かったハズ。それを敢えてぬか喜びさせる形で再会し、
実はもう長くないは事を告げるという何とも皮肉な展開がこの
ドラマを一層際立たせるね。

白鳥貞美 …… 中井貴一 (麻酔科医)
白鳥ルイ …… 黒木メイサ
白鳥 岳 …… 神木隆之介

二神香苗 …… 国仲涼子
小玉エリカ …… 石田えり (小玉理容室)
水木三郎 …… 布施 博 (水木クリニック)
石山 孟 …… ガッツ石松 (石山養蜂経営)
氷室 茜 …… 平原綾香 (歌手)
石山 修 …… 平野勇樹 (石山養蜂手伝い)

内山妙子 …… 伊藤 蘭 (看護師)
二神達也 …… 奥田瑛二 (ファルコム代表)
白鳥貞三 …… 緒形 拳 (富良野の訪問医)

上原さゆり …… 森上千絵
谷口冬美 …… 木内みどり
霞ヶ関病院院長(西) …… 平泉成
高林医大病院院長 …… 小野武彦
佐伯知美 …… ふせえり

大方斐紗子、中島ひろ子、中村靖日、久保隆徳、小池美枝
織本順吉

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