風のガーデン

脚本/倉本聰

http://wwwz.fujitv.co.jp/garden/index.html


第8話 フロックス


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岳は朝早くから出かける。電話で呼び出されて起きた貞三と
鉢合わせ。
ガーデンまで送っていくというが断り一人でガーデンに向かう。
ルイが朝早く行けばガブリエルに会えると言われたからだ。
ガーデンに着き一回りして彼を探すもガブリエルは見付からな
かった。
森の中で球根を掘っているとそこに貞美がやってくる。岳は
ガブリエルが怒って現れないのかと思い心配していた。別の
用件で遠くに行っていた事を告げる。
そんな貞美の元に一本の電話。水木から麻酔医が足りないと
言われ急遽貞美が指定された病院に行くことになる。治療後
院長から緊急時だけでも助けて欲しいと告げられる。
貞美は帰り道の車の運転中、激しいめまいに襲われる。
なんとか音楽をかけて意識が集中するよう精力を傾ける。
ヘトヘトになりながらもなんとかトレーラーに到着。すると
そこにルイと上原さゆりが共にやってくるのだった。
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いよいよ病状が進行し、運転中にも薬の副作用でめまいを引き
起こす中、旧友からは歓迎会を開いてもらう。
そんな中ついに祖父・貞三に貞美が故郷に戻ってきている
事が伝わってしまう。

これまで本気に伝わっているかどうか分からなかった貞美の
帰郷の件について貞三がついに本当のことを知るという展開
だった。
貞三の貞美に対する心情が聞けて実に興味深い流れである。
名曲「おふくろさん」騒動の川内康範の様に、最後まで突っ
ぱねたまま亡くなるという選択肢も有ったわけだが、
彼の中にも息子に放った言葉の中に後悔の念が込められていた
というところが意外でも有り、興味深い所だと思う。

既にこの気持ちが有る限り、親子が向き合うことは容易なのでは
無いかと思わせる。ただ追い出された息子からアプローチを
かけるのではなく、貞三側から近づいてしまった事が唯一
気に掛かる点か。

貞美に対して、今回が大清算スペシャルの様な話になった。
故郷の友達の暖かさ。彼がどんなに素行の悪い男でアレ、故郷
からどんな形で飛び出したのであれ、戻ってきた途端に全てを
忘れて受け止めてくれる辺り、富良野市民の人の良さを上手く
描いている。
まるでこれで明日にでも亡くなっても良いのではないかという
様な展開。

石山修の使い方とかとても砕けていたけど面白かったし、
生前葬という形で気持ちに区切りをつけさせるところなど、
とても上手い描き方だった。

白鳥貞美 …… 中井貴一 (麻酔科医)
白鳥ルイ …… 黒木メイサ
白鳥 岳 …… 神木隆之介

二神香苗 …… 国仲涼子
小玉エリカ …… 石田えり (小玉理容室)
水木三郎 …… 布施 博 (水木クリニック)
石山 孟 …… ガッツ石松 (石山養蜂経営)
氷室 茜 …… 平原綾香 (歌手)
石山 修 …… 平野勇樹 (石山養蜂手伝い)

内山妙子 …… 伊藤 蘭 (看護師)
二神達也 …… 奥田瑛二 (ファルコム代表)
白鳥貞三 …… 緒形 拳 (富良野の訪問医)

上原さゆり …… 森上千絵
谷口冬美 …… 木内みどり
霞ヶ関病院院長(西) …… 平泉成
高林医大病院院長 …… 小野武彦
佐伯知美 …… ふせえり

半海一晃、有蘭芳記、菅原大吉、久保隆徳、伴美奈子
花王おさむ、村松恭子、中原三千代、山内勉、山崎潤
須藤理彩

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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