風のガーデン

脚本/倉本聰

http://wwwz.fujitv.co.jp/garden/index.html


第11話 ナツユキカズラ


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ルイの結婚式が執り行われる。
貞美はルイの介添え役としてバージンロードを娘と共に歩く。
しかし目の前で行われているのは偽の結婚式。みんな真剣に
式に集中する。どこまで新郎は知らされているのだろうか。
彼らの優しさを感じやさしさごっこに付き合うも、途中から
本気で感動し涙を抑えるのに必死だった彼。本当に最高の瞬間
だった。明日からまた実家に戻ることになる。
内山妙子への手紙の中で全てを書き綴る。

貞美は実家に戻る途中の街中で、氷室茜が歌う"カンパニュラ
の恋"がテレビから流れてくるのを見かける。
貞美は実家に到着。入り口ではルイが掃除をしていた。
部屋を案内され一通り見て回る。昔と同じ臭いがすると貞美。
岳から受け渡された枯れた花を手にし、花瓶に生けておいて
くれと頼む。そしてルイに車のキーを手渡し、お芝居はこの辺
で辞めようと告げる。心遣いは嬉しいがこれからは正直に行こ
うとして、結婚式が嘘だったこと、そしてルイが自分の病気に
気がついていることを口にする。その上で新郎役の子に、
キャンピングカーを渡してくれと頼んだ。
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いよいよ最終回。

有る程度のストーリーの流れは見る前から想像できるもので
あるが、その想像を凌駕出来るほどの感動を与えてくる内容
だった。

家族の絆を取り戻したことは勿論のこと、亡くなる人の事、
それを見守り現世に残される人の後悔のない最後を上手く
誘導していった話だった。

最後までジョークを忘れないという日本人離れした感覚が良い。
生前葬の様なブラックジョーク、そして貞美から発せられる
ジョーク。どれも相手の気持ちを喜ばせようとするもので、
常に他人に気を配りアクションを起こしていた内容だった。

人物配置が如何にもドラマっぽい感じがする欠点は有るが、
どれも上手く収まり、それぞれの気持ちに上手く区切りが
付けられる展開では無かろうか。

春になり蝦夷延胡索が綺麗に咲く所も良くできていた。
岳の意識を引きつけるために風だったり子犬などが面白く
使用された感じだ。
真ん中のキャンピングカーが有った跡は、彼がここで生きて
いた事を証明するもので、ちょっぴりセンチメンタルに
させられるが、美しさと相まって、とても上手いエンディング
だと思う。

白鳥貞美 …… 中井貴一 (麻酔科医)
白鳥ルイ …… 黒木メイサ
白鳥 岳 …… 神木隆之介

二神香苗 …… 国仲涼子
小玉エリカ …… 石田えり (小玉理容室)
水木三郎 …… 布施 博 (水木クリニック)
石山 孟 …… ガッツ石松 (石山養蜂経営)
氷室 茜 …… 平原綾香 (歌手)
石山 修 …… 平野勇樹 (石山養蜂手伝い)

内山妙子 …… 伊藤 蘭 (看護師)
二神達也 …… 奥田瑛二 (ファルコム代表)
白鳥貞三 …… 緒形 拳 (富良野の訪問医)

上原さゆり …… 森上千絵
谷口冬美 …… 木内みどり
霞ヶ関病院院長(西) …… 平泉成
高林医大病院院長 …… 小野武彦
佐伯知美 …… ふせえり (花屋)

上原春江 …… 草笛光子

中村優子、佐々木信夫、藤井理央

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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