刑事の現場

作者/尾西兼一、三上幸四郎

http://www.nhk.or.jp/dodra/keiji/index.html

第1話 苦い逮捕〜団塊刑事は若者達に何を伝えるのか

東和警察署に新しく配属される加藤啓吾は、この日爆発物を
仕掛けたという犯行予告が行われた店を捜索。慣れないこと
尽くしの現場に先輩刑事からお叱りを受ける。
そんな中、神社で女性・柏原聡美が殴られる事件が発生する。
聡美の娘・みどりがその場におり、ベテラン刑事の伊勢崎彰一
が彼女から事情を聞く。泣き出してしまうみどりに対し、
伊勢崎とペアを組む啓吾は、彰一の捜査方法に疑問を持つ。

いきなり冒頭で、団塊世代の大量退職により、全国にいる
警察官25万人の内、今後10年間で10万人の退職者が出る
というテロップが出たが、これが意外にもドラマを上手く
引き締めたと想う。
最後に若手グループとベテラングループに分かれて話し合う
シーンが有ったけど、近い将来このベテランチームが丸ごと
居なくなるという事だからね。

ドラマでは時代性を反映して、昔ながらの捜査方法で
挑むベテラン勢と、効率性を謳う若手グループの思惑の違い
を上手くドラマの中で表現した。
今回はベテランゆえの捜査法に軍配が上がった形だ。

新人の刑事は、被害者や加害者の生活環境に感情移入し
やすく、物事の表っ面だけで判断し見誤るところが有る。
その言葉通りに、家族思いで勤務態度も真面目な容疑者に
疑問符を投げかけたり、一連の事件に於いて全容が全く
見えないまま進行してしまう流れがあった。

ドラマでは二つの事件が取り沙汰されたが、二つともに
刑事としてのノウハウを知る者によって真相を掴む結果となる。

爆弾予告事件にしても、若手刑事は無駄足だったと立ち去るが
街のベテラン警察官が真相を聞き出した事。

日系ブラジル人の事件も相手の顔を見て嘘であることを見抜き
そして想像力によって大方の真相を暴き出した事。

最後に若手側が卓上で勉強している姿が印象的だったが、
長年の現場での捜査によって培う刑事としての能力という
ものの価値観を言葉ではなくドラマの中で表現している。

このドラマを見ていると昔、ハリウッド映画で若手刑事・
チャーリー・シーンとベテラン刑事・クリント・イースト
ウッドが織りなす「ルーキー」という映画が有る事を思い
出した。つい最近ではTBSのドラマ「ジョシデカ」でもそう
だけど、年齢差のある凸凹コンビのドラマって意外と多そう
だね。

出演/
寺尾聰 (伊勢崎彰一) ベテラン刑事
森山未來 (加藤啓吾) 東和警察署に赴任した新人刑事
石倉三郎 (野下浩美) 麻薬や暴力団対策を担当する捜査二係係長(警部補)
池脇千鶴 (瀬戸山瑞穂) 県警の警務部に務める準キャリアと結婚し一児の母となるも、出産後に職場復帰を果たし刑事に昇進。
忍成修吾 (古川良介) 啓吾とは同期だが、偶然手配犯を見つけて逮捕した功績により、一年早く刑事に昇進
浜田学 (岸田渉) 主任(巡査部長)。若手刑事のリーダー格。
三浦アキフミ (木島昭太) 鑑識係員(巡査)。
宇崎竜童 (守本真二) 捜査課鑑識係主任
真野響子 (桐島奈津子) 東和警察署の副署長
刈谷俊介 (大島) 巡査

guest
松尾れい子 (柏原聡子) 被害者
高良健吾 (スギハラ・ヒロキ) 加害者
樋口浩二 (加藤誠) 殉職した父親
笑福亭松之助 (島田) 老人
内海桂子 (田中智美) 爆弾予告
田中哲司 (越智陽介) 違法診療
三田村周三 (田所)
中山恵 (矢代千夏) 婦警
蛭子能収 () 日本語学校
櫻木健一 (真山)
内田藍子 () 管理人
小原雅人 (諸岡)
玉腰佳弘 (梶)
佐久間哲 (安原)
あべかつのり (清水)
伊藤シルビア (ソニア)
御園生尊子 (加藤節子)
大前喬一 () 幼少の啓吾
三浦三奈 (柏原みどり) 被害者の子供
鈴木恵理
古川聖二
マルセリーノ・ロドリゲス
カルメン・ミタ
シラジ・ライアン
シラジ・エヴィン
久川徳明
松浦慎一郎
兼子和大
浦田響生

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