刑事の現場

作者/尾西兼一、三上幸四郎

http://www.nhk.or.jp/dodra/keiji/index.html

第3話 運び屋を追え

自宅で主婦が腹部と頸部を鋭利な刃物で傷つけられて亡くなる。
被害者の女性は中沢綾子47歳。夫・繁治が自首してきたことから
事件が発覚する。鑑識の結果、頸部動脈断裂による出血死だった。
一方捜査二係は、麻薬密売事件を追っていた。
容疑者の供述から運び役には曽根真里子という女性が関わって
おり、現在二係の瑞穂が彼女の自宅近くのアパートで張り込み
しているという。二係の野下浩美から捜査人員を貸してくれと
言われた伊勢崎は、啓吾を捜査にあたらせることにする。

海外ドラマ・CSIと同じく、一時間の枠で二つの事件を同時に
扱う展開なので、時間枠の関係でテンポも早くなり、とても
見やすい話しだったと思う。

今回はどちらも新人が現場に出て活躍する話しだった。
綾子殺害を担当したのは古川良介。
同じ新人でも加藤啓吾に比べると随分場慣れしている感じのする
良介は、冷静に現場当時の証言を検証した結果、殺害時刻に
息子の部屋の電気がついていた事を疑問に思う。

一方曽根真里子の事件は根気の要る作業で、地道に受け渡し現場
を確保し覚せい剤を所持しているところを押さえなければならな
い。

至って普通の人物が犯罪に手を染めている現実をイマイチ実感
出来ない啓吾。それに対して現場を共にしている瑞穂からは、
この世の中に普通の人など居ない事を指摘され、その中から
見抜くのが自分たちの仕事だとたしなめられる。

失敗する事に対して厳しく叱責しながらも、それがその人物の
身を案じての事だと分かる。ベテランから新人への襷掛けが
とても上手く機能していることを示唆しており、理想的な現場。

ドラマでは犯罪に手を染める人の心情に触れたり、複雑な環境が
及ぼす親子の関係を描いたりして、動機付けを上手くしている。

出演/
寺尾聰 (伊勢崎彰一) ベテラン刑事
森山未來 (加藤啓吾) 東和警察署に赴任した新人刑事
石倉三郎 (野下浩美) 麻薬や暴力団対策を担当する捜査二係係長(警部補)
池脇千鶴 (瀬戸山瑞穂) 県警の警務部に務める準キャリアと結婚し一児の母となるも、出産後に職場復帰を果たし刑事に昇進。
忍成修吾 (古川良介) 啓吾とは同期だが、偶然手配犯を見つけて逮捕した功績により、一年早く刑事に昇進
浜田学 (岸田渉) 主任(巡査部長)。若手刑事のリーダー格。
三浦アキフミ (木島昭太) 鑑識係員(巡査)。
宇崎竜童 (守本真二) 捜査課鑑識係主任
真野響子 (桐島奈津子) 東和警察署の副署長
刈谷俊介 (大島) 巡査
中山恵 (矢代千夏) 婦警
玉腰佳弘 (梶)
佐久間哲 (安原) 刑事
あべかつのり (清水)

guest
村田雄浩 (中沢繁治)
中田裕子 (中沢綾子)
森田直幸 (中沢弘道)
葉月里緒奈 (曽根真理子)
飯田基祐 (曽根芳行)
武井証 (曽根仁志)
蜷川みほ (田村和子)
櫻木健一 (真山)、古川聖二(松田)、山田永二、石川栄二

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