警視庁捜査一課9係 (第3シーズン)

脚本/深沢正樹(1)~(6)、波多野都(7)

http://www.tv-asahi.co.jp/9gakari/

第7話 割れないグラス

矢沢早苗の手術の日。夫の英明は不吉な夢を見る。
友人の青柳靖は何処か仕事に上の空。
そんな中、インテリアショップで殺人事件が起こる。
殺害されたのは、ショップのオーナーであり、有名な目利きで
バイアーである岩城奈々子(34歳)。現場にはワイングラスの
中に毒が盛られた跡があり、遺書も見つかったことから自殺
かに思われた。しかし鑑識の結果、遺書にも毒の入った小瓶
にも本人の指紋が付着していない事。そしてPCで遺書を作成
した形跡が無いことから、自殺に見せかけた他殺の線で捜査
が開始される。現場で加納倫太郎がワイングラスを落とすよう
なマネをしていたことで鑑識の猪狩哲治の怒号が部屋に
響く。遅れてやってきた小宮山志保は、この日鑑識
に出ていたのが猪狩哲治で有ることに驚きを見せた。

ココ数話の話しでは事件をほったらかしてやたらと人情モノ
ドラマに徹してきていたので、事件メインで取り上げられる
話しは珍しいかも知れない。1話目からずっと指揮を執ってきた
深沢正樹さんに変わり、今回は波多野都担当の話しだった。

ドラマとしてはもの凄くオーソドックスな流れを持つ内容で、
基本に忠実に作られた刑事物といった感じのするシナリオ
だった。唯一、妙味として存在するのは、今回の被害者と
加害者は直樹の兄・浅輪和樹と面識の有る人間だという事だ。

そしてこのドラマらしい捜査一課9係ネタとしては、ベテラン
鑑識課・猪狩哲治と小宮山志保の関係が描かれた。

殺された岩城奈々子は有名な目利きで有り、インテリアの世界
では名の通る人物。しかしこの人物像を辿っていくと、男性
関係が派手で、夫以外の男性との関係があり、アシスタント
の女性に酷い仕打ちをしている事が分かる。
殺されるに値する人物である点。加害者にもきっちりと殺害
する動機が備わっている。

今回のテーマはワイングラスというよりも、"目利き"という
事が一つのテーマとして存在している。
事件を解決したのは、退職間近である猪狩哲治の目利きの結果
であり、加害者の才能をきっちりと見抜いて応援している
"目利き"の人物が存在するという韻を踏むようなシナリオ。

安定的なシナリオ過ぎるところが逆に欠点でもあるが、
なかなか良くできた物語だと思う。

加納倫太郎 - 渡瀬恒彦
村瀬健吾 - 津田寛治
小宮山志保 - 羽田美智子
矢沢英明 - 田口浩正
青柳靖 - 吹越満
浅輪直樹 - 井ノ原快彦
石川倫子 - 中越典子
宮原礼二 - 金児憲史
安西つかさ - 浅見れいな
矢沢早苗 - 畑野ひろ子
垣内妙子 - 遠藤久美子
夏樹理沙子 - 加賀美早紀
神宮司桃子 - 名取裕子
浅輪和樹 - 豊原功補

guest
猪狩哲治 - 伊東四朗 (鑑識課)
石黒佳代 - 金子さやか (インテリアショップ)
岩城奈々子 - 中村綾 (インテリアショップ)
岩城譲 - 志村東吾 (インテリアショップ)
中倉孝介 - 飯山弘章 (奈々子と不倫。取引相手)
堀内まゆみ - 住吉怜奈 (第一発見者)

高嶋宏行、菊池隆志、八巻博史

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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