ラスト・フレンズ

脚本/浅野妙子

http://wwwz.fujitv.co.jp/lastfriends/index.html

第8話 最後の手紙

"悩んでいるならば言って欲しい。" タケルから瑠可への言葉。
"好きになっても良いかな。" 美知留からタケルへの言葉。

美知留はタケルへの弁当を作る。タケルのメイクの仕事の
アシスタントをする事になった為のお礼だという。
美知留は気を遣い、タケルにこの前の発言を気にしないよう
告げる。特別なことは期待していないとの事。
そんな折り、シェアハウスに男の子がやってくる。
対応に出たエリはその子から美知留への手紙を手渡される。
宗佑から託された手紙。瑠可はすぐに気がつき、決して美知留
には渡さないようエリに告げる。これは罠であると。
エリは宗佑の元へと一人で赴き、その手紙を返した。
アナタのように力でしか女性を引き留めておくことが出来ない
人は惨めで情けない事を告げる。帰りに宗佑から大量に書き
留められた手紙を託される。断り切れずに一端預かることに
なる。
瑠可はみんなに内緒で引っ越しの物件を決めていた。
半年間ここに住み、その後海外に拠点を移す予定。その際
彼女は手術を受けることも考えていた。
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今回のメインは瑠可のエピソード。
性同一性障害について、彼女がここに来て事態の急変を狙う
意図が何処に有るのかを描くと共に、タケルにその事実
を伝えるまでを描いた感じだ。

少しずつ事実が明らかになっていく様が、とても興味深く映り、
核心に迫っていくときの高揚感は今回のドラマの面白さでも
有る。今まで考えもしてみなかった好きな女性が性同一性障害
で悩んでいる事を知ったとき、果たしてどんなリアクションが
待っているのか。そんな事実が伝わっていく場面を幾つかの
段階に分けて描いていき、この特異な事実が、疑問から核心へと
変わっていく様がとてもナチュナルに描けている。

こうなることは分かっていたとはいえ、タケルの対応の素晴
らしさを改めて感じることになった。

一方今回サブでの扱いになるのは、美知留のエピソードだ。
このエピソードの中に、エリという人物の存在意義の全てが
集約されているような感じがする。
エリは一連のドラマを通して、自分の中の女性としての魅力に
疑問を持つようになる。タケルに振られ、おぐりんに振られ。
そして今まで感じていた愛に対する価値観に一定の疑問を生じる。

ドラマとして上手いのは、これだけ気持ちの悪い宗佑のキャラ
クターがエリという人物を通してソフトなイメージになる
様な工夫が幾つもしてある事だ。
暴力という事実を裏返すことは出来ないが、それ以上に一途な
愛に対する絶対的な愛情を示すことで、宗佑のキャラクター
にも一定の理解を示すような感じ。

気になるのは早塚令奈がDV関連の本を読んでいたこと。
まだこのキャラクターを使って何かしようとしているのだろう
か。

藍田美知留...長澤まさみ (彼氏・宗佑からDVを受ける)
及川宗佑...錦戸亮 (市役所福祉課・DV男)
岸本瑠可...上野樹里 (性同一性障害。モトクロス)
水島タケル...瑛太 (女性を愛せない?)
滝川エリ...水川あさみ (フライトアテンダント)
小倉友彦...山崎樹範 (エリの会社の先輩)
早塚令奈...西原亜希 (美容室)
三田小百合...蘭香レア (美容室『NiCHE』・店長)
岡部まゆみ...平野早香 (美容室)
藍田千夏...倍賞美津子 (美知留の母)
岸本省吾...長島弘宜 (瑠可の弟)
樋口直也...澁谷武尊 (両親が育児放棄?)
遠藤健一郎...北見敏之 (千夏の恋人)
林田一巳...田中哲司 (モトクロスの先輩)
岸本陽子...朝加真由美 (瑠可の母)
岸本修治...平田満 (瑠可の父)

guest
白幡優子...伊藤裕子

中沢純子、植村喜八郎、清水和博、Asaki、奥村真央、小水彩
高田麻紀子、田代麻衣、南篠千尋、和佐本菜穂子

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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