ラスト・フレンズ

脚本/浅野妙子

http://wwwz.fujitv.co.jp/lastfriends/index.html


第10話 最終章・愛と死


何とか襲われる寸前に逃げ出した瑠可。
破れた服を着替えるため店に飛び込み、試着室で涙する。
帰宅する瑠可は何でもない表情でやり過ごす。
夕食時に来客を知らせるチャイムが鳴ると、その場の雰囲気
は一瞬凍る。エリへと届け物だったが、その雰囲気を察して
美知留は自分のせいだと感じる。
翌日タケルはなんとか映画の仕事をさせてもらおうと直談判
するが、断られる。美知留は益々落ち込むが、タケルは
決して美知留のせいではなく、こんな事で負けては駄目だと
語る。そしてここで逃げれば命がけで守ろうとしている
瑠可の事を裏切ることになると話した。
瑠可の事が雑誌で取り上げられる。そこにはハッキリと
"性同一性障害"である事実が書かれていた。コンビニで
その雑誌を目にするエリは、タケルに相談する。その話しを
聞いていた瑠可は未だに正直に話すことが出来ず、嘘だと
告げる。

いよいよ瑠可の事実が周りに知れ渡っていくような展開だった。

その中でも印象的なのは、瑠可の美知留への気持ちが相手に
伝わることと、今まで温かく見守ってくれた瑠可の父親に
対しても性同一性障害の事実が伝わることだ。

友達だと思って付き合ってきた二人。
実は女性同士としての関係ではなく、出会った当初から異性
として見ていたという事実。
今までの関係の全てを否定するような衝撃の告白故に、
実に複雑な感じを受けるが、瑠可の気持ちを受け止められない
としても美知留はその現実を受け入れることが出来るのか。

また父親に対しても複雑なものである。
父親にしてみれば、娘がそのような事で悩んでいる事を見抜け
なかった悔しさなんかも有るのではないか。幼いときから
全てを見守り、味方してくれた父親を裏切るような現実を
いきなり突きつけられた格好で表明的にはよき理解者として
の顔を覗かせるが、タケルの前で告白した彼の姿が印象的だ。
"オレにとっては可愛い娘だよ"と。

エリの活躍が目覚ましいものがある。
宗佑に言った言葉の全ては、タケルや瑠可や美知留が言っても
届かないものだが、エリが語るからこそ価値があるものだった
のでは無かろうか。そういう意味でエリの存在感は小さいモノ
だったがここにきて彼女の役割の大きさを知ることになった。

相変わらず宗佑の元に一人で出向いてしまう美知留。
もう嘘を付かないと思った理由は何なのだろうか。
美知留の居場所がホントに無い為に、このキャラクターの不憫
さが心に染みてくる。
今までの宗佑には感じなかった心の変化が態度として表れる
ようになり衝撃のラストに繋がるが、亡くなるのは本当に
宗佑なのか。この一回のHで美知留は妊娠する事になるのか。

あの写真を見て宗佑の感じたことは、同じ世界に居ると思って
いた美知留に仲間が出来たことで、自分だけが孤独の世界に
いると悟ったのだろうか。

取りあえずラストに期待したいところだが、タケルとお姉さん
の関係や早塚令奈のエピソードに全く触れられなかったが、
もう終わったのか?

藍田美知留...長澤まさみ (彼氏・宗佑からDVを受ける)
及川宗佑...錦戸亮 (市役所福祉課・DV男)
岸本瑠可...上野樹里 (性同一性障害。モトクロス)
水島タケル...瑛太 (女性を愛せない?)
滝川エリ...水川あさみ (フライトアテンダント)
小倉友彦...山崎樹範 (エリの会社の先輩)
早塚令奈...西原亜希 (美容室)
三田小百合...蘭香レア (美容室『NiCHE』・店長)
岡部まゆみ...平野早香 (美容室)
藍田千夏...倍賞美津子 (美知留の母)
岸本省吾...長島弘宜 (瑠可の弟)
樋口直也...澁谷武尊 (両親が育児放棄?)
遠藤健一郎...北見敏之 (千夏の恋人)
林田一巳...田中哲司 (モトクロスの先輩)
岸本陽子...朝加真由美 (瑠可の母)
岸本修治...平田満 (瑠可の父)

guest
白幡優子...伊藤裕子

ひがし由貴、竹嶋康成、吉村玉緒、土田アシモ、よしのよしこ
滝下毅、ダイヤ

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