魔王

脚本/前川洋一、西田征史

http://www.tbs.co.jp/maou2008/


第1話 愛を捨てた復讐鬼-哀しき魔王


有能な弁護士・成瀬領は、暗がりの倉庫内で花束を置く。
彼は弟・秀雄を11年前にこの現場で失っており、現場を見る
度に彼の心の中の復讐心に火が灯る。
一方、芹沢直人は渋谷東署で検挙率NO1の熱血刑事。
しかしやり過ぎの捜査に署内の刑事達も困り果てていた。
ある日、直人の元に宅配便が届く。差出人は"雨野真実"。
中には赤い封筒の中に一枚のタロットカードが入っていた。
"過去の罪への償い"の意味を示す審判のカード。何のことか
分からずこの時はまだそれ程重要なものには見えなかった。
郵便局に強盗が入ったとの通報を受け、すぐに現場に急行
しようとするが、出口の所で成瀬領と言う名の弁護士と
出会う。彼は先程検挙した宗田充の弁護士だという。
"はじめまして"という芹沢の言葉に怪訝そうな表情を見せる
成瀬だった。

正直に言うとあんまり面白く感じなかった。
ただ連続ドラマの初回故に、今後幾らでも確変する可能性は
有るという事で期待してみようと思う。

ドラマは過去の事件が重要に関わってくる内容で、弟を殺され
た兄が、その事件に関わった人物達に復讐を誓い実行すると
いうもの。
普通に罪を償えばここまで復讐心を抱くことはなかったかも
知れないが、弁護士の力によって事実はねじ曲げられ、殺した
ハズの少年は正当防衛によって罪には問われなかった。

初回は殺した本人である芹沢直人に宣戦布告をした感じの展開
で、弟が殺害された時と似たような展開を用意したという点だ。

ドラマとしての面白さはやはり被害者と加害者側に流れる
温度差だろう。芹沢直人は成瀬領と会ったときに、彼の顔を
一切覚えていない。忘れたい記憶の一つとして心の奥底に
閉じこめてしまったのかも知れないが、この辺の温度差が
復讐心を煽るには十分だという事。

更に面白く映る点は、今回起こった熊田弁護士殺害事件の顛末
は成瀬領によって全て仕組まれているという点。
刑務所にいる林に復讐心を煽る手紙を送り続けていたり、
凶器であるナイフを予め被害者に送りつけている事など、
用意周到に計画を練っている。とても頭脳明晰で人の心を読む
事に長けている事が明らかで、今後も人の心を操り、次々と
人を殺害していくことになるのだろう。

サイコメトラーなる不思議な人物が登場したが、その人物と
犯罪者の捜査に於ける追いつ追われつの展開は今後面白い
要素として存在している。この二人、なんとなく関係を
持ちそうだしね。

ドラマでは色んな伏線と謎が混在しており、初回を見ただけ
では判断に困る点も多い。
過去に人を殺したハズの芹沢直人が、何故熱血漢の刑事を演じて
いるのか。父親との関係も上手く行っておらず、今の職業に
軽蔑さえされているような役柄だが、まかり成りにも人を
殺した人が今の職業に至る経緯が分かりづらい。

成瀬領が弁護士を目指したのは弟が目指していたものでも有る
し、自分の都合次第で幾らでも罪を裁けるという点で、その
理由も有る程度は納得できる。

問題なのは熊田の息子役という名目で登場した二宮君。
あまりの不自然さで驚いたわけだが、何処から事件の詳細
を聞き出してきたのだろうか。弁護士を恨むのも筋違いだし、
無理矢理挿入したようなシーンにしか見えないところが悲しい。

ドラマで教会が出てきたり、咲田しおりの役の中に両親が
居ないという設定当たりは、如何にも原作が韓国に有る
って感じだね。

成瀬領 ……… 大野智 (弁護士)
芹沢直人 ……… 生田斗真 (刑事)
咲田しおり ……… 小林涼子 (図書館勤務)
葛西 均 ……… 田中圭 (典良の秘書)
宗田 充………忍成修吾 (直人の中学の同級生)
石本 陽介………脇 知弘 (取り立て屋)
高塚 薫………上原美佐 (刑事)
仁科 江里………篠原 真衣 (しおりの先輩)カフェ「ガランサス」
山野 真………清水 優 (雑誌編集者・直人の中学時代の同級生)
石原管理官………飯田 基祐 (渋谷東署・管理官)
倉田 隆………東根作寿英 (刑事)
河野弘樹………(役名不明)
芹沢 麻里………吉瀬美智子 (典良の妻)
芹沢 典良………劇団ひとり (直人の兄)
中西 弘道………三宅裕司 (刑事・係長)
芹沢 栄作………石坂浩二 (直人の父) リゾート会長・国会議員

guest
熊田高弘 ………森下哲夫
林邦夫 ………きたろう

二宮和也、朝加真由美、木村遼希、竹内寿、上村祐翔
本間春男、中村竜之慎、松澤一之、興夏実、根本美緒
篠田薫、鼓太郎、柳東士、後藤健

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

inserted by FC2 system