魔王

脚本/前川洋一(1)~(4)、西田征史(5)~(10)

http://www.tbs.co.jp/maou2008/


第10話 一族の崩壊…死のラストカード!!


----------------------------------------------------------
しおりは直人に尋ねる。
刑事さんは犯人が誰だか分かっているのか? その人のことを
憎んでいるのかと。殺人犯にしたのは俺、11年前にあんな事を
しなければ、一人の人生をこんなに狂わすことはなかったと
してとても憎む気にはなれないという。自分の過去が捨てら
れればどんなに良いのかと告げると、しおりは過去の貴方が
居るから今の真っ直ぐな姿があると語る。もう十分罪に対して
苦しんでおり、これ以上誰も傷つく必要はないと告げる。

直人は麻里に会いに行き、葛西のアリバイを証言してくれる
様頼む。葛西を救えるのは貴方だけだと告げるが断られる。

一方直人は葛西にも会いに行く。自分が殺人を犯したという
葛西に対し、麻里の為に殺人犯になるつもりなのかと尋ねる。
俺のせいであの人が不幸になる方が辛いという葛西。あの人が
傍にいてくれるだけで嫌なことを全て忘れられたという。
そんな人の人生を狂わせるわけにはいけないと告げる。
その言葉を鏡越しに聞いていた麻里は、証言することを決意
する。

直人は麻里と共に兄の典良の元を訪ねる。
直人は葛西が犯人ではないことを告げ、犯行当時葛西が麻里と
一緒にいたことを告げる。すると典良は態度を豹変させ直人
を殴りつける。俺のことは考えなかったのかと言う典良。
最後は俺の事を選んでくれると思っていたという典良は、麻里
が葛西と浮気していた事を知っていたことを間接的に告げた。
離婚はしないという典良。そこに父・栄作が入ってくる。
その選択が一番良いと告げる栄作に対し、典良は父親にも
食って掛かる。貴方の判断はいつも正しいが、父親の姿では
無かった事を告げる。
直人は宗田を殺した犯人に心当たりはないかと典良に尋ねるが
興奮する典良は強い調子でそれを否定する。
----------------------------------------------------------

ドラマとしては芹沢家の崩壊を描いているものであるが、
今回はどちらかというと一連の事件に対して継続すべきが
どうかで悩み倒す成瀬領の心情を描いた話だった。

成瀬領を悩ますに至る数々の事実を彼にぶつけてみる。

当事者である芹沢直人は誠心誠意彼の前で謝罪したし、
死ねと言うならば死も厭わない事を彼の目の前ではっきりと
告げた。

悪の権化の様な芹沢栄作からも意外にも謝罪の声が聞かれた。
自分の正義は例え他人を傷つけることにあっても息子や家族の
者たちを守ることにあるという。成瀬の正義もまた他人を傷つ
けることで成立するものだ。

互いに信じる正義だが、成瀬の場合、当時の真実が正確には
伝わらないままで今の位置にいる分、実に複雑な描き方だ。

そして何と言っても咲田しおりの愛の力が成瀬領の前に立ち
はだかる。両親からの愛情が希薄な分、それを求める気持ちは
人一倍では無かろうか。既に止められない運命と現実や真実
が当初予定していたものから少しずつズレ始める。人の感情
というのは、それだけ予想しにくいものなのだろう。予想し
づらいその感情が自分の中のものである点が、成瀬領にとって
最も不思議で未知のものに映っているのかも知れない。

残すところは最後のカードですね。
それにはどんな意味があるのか。そしてどんな殺害方法を
計画しているのか。楽しみ。

成瀬領 ……… 大野智 (弁護士)
芹沢直人 ……… 生田斗真 (刑事)
咲田しおり ……… 小林涼子 (図書館勤務)
葛西 均 ……… 田中圭 (典良の秘書)
宗田 充………忍成修吾 (直人の中学の同級生)
石本 陽介………脇 知弘 (取り立て屋)
高塚 薫………上原美佐 (刑事)
仁科 江里………篠原 真衣 (しおりの先輩)カフェ「ガランサス」
山野 圭太………清水 優 (雑誌編集者・直人の中学時代の同級生)
石原管理官………飯田 基祐 (渋谷東署・管理官)
倉田 隆………東根作寿英 (刑事)
成瀬領(中学生時代) ………河野弘樹
芹沢直人(中学生時代) ………木村遼希
葛西均(中学生時代) ………上村祐翔
宗田充(中学生時代) ………本間春男
石本陽介(中学生時代) ………中村竜之慎
芹沢 麻里………吉瀬美智子 (典良の妻)
芹沢 典良………劇団ひとり (直人の兄)
中西 弘道………三宅裕司 (刑事・係長)
芹沢 栄作………石坂浩二 (直人の父) リゾート会長・国会議員
堂島………松澤一之 (事務長)
真中英雄………竹内寿
真中好美………朝加真由美

guest

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

inserted by FC2 system