モンスターペアレント

脚本/荒井修子

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第1話 娘の担任をかえろ


ウィルソン城山法律事務所で4期連続で売り上げのTOPを飾る
高村樹季は、事務所のシニアパートナーである城山幸太郎
から頼み事をされる。大学の同期だったという教育委員の
田川龍之介からの依頼であるという。連絡先のメモを手渡さ
れた彼女は早速彼に会うために教育委員会へと足を運ぶ。
施設は役場の一般業務所からは随分と離れた場所に設置して
あり、施設内に入ると狭い部屋の中では忙しなく職員が
働いていた。田川への取り次ぎを願い面会してみると、田川
は忙しさのあまり話しをすることも出来ず、早々と立ち去って
しまう。まずは職員の望月道夫と共に現場を視察して欲しい
と言われて、彼と共に問題の起こる学校周りを行う。
始めに訪れたひのき台南小では、関西弁で話しをする先生が
保護者からクレームを付けられていた。娘が先生の言葉に
感化されており、それと同時に暴力的になったのだという。
話しを聞くと単なるお笑いのツッコミであるが、保護者は
家庭内暴力の根であるという。保護者は教師の事を"洗脳"、
"汚染"という言葉で激しく罵ってくる。
次に連れてこられたのは音楽発表会の現場。何気ない会場の
中で一際目立つ不自然な生徒の行動。壇上の指揮者が生徒
たちを束ねる為に指揮を執らず、鑑賞している保護者の方に
向いているのである。保護者からのクレームで仕方なくこう
なったと説明する。
そして次に連れてこられるのは市立早瀬川第二小学校。
4年1組の担任・真田雅之は保護者の一人・渡辺秋枝から
クレームを付けられていた。その席に同席を許され言い分を
聞いていると、保護者は先生に一定の生徒を依怙贔屓して
いるとの事だった。

取りあえずこんな理不尽なクレームを付ける保護者が居ると
いう事を描いた初回だった。
企業向けの法務を担当している畑違いの人に、教育の現場で
起こる問題をぶつけて解決を試みる。
モンスターペアレントという有る意味特異に映る人種に対して
視覚を変えた所から解決を求めるという、ある種の化学反応を
期待しているものなのかもしれない。

理不尽な要求に対応するには、気難しくも正当さを論理的に
展開していくことこそ、解決への一番の近道なのかも知れない。
そういう意味で弁護士はぴったりだし、クレームを簡単に捉え
る人に対して、権利の主張を唱えて理論派武装すれば、多くの
安易な考えの元でのクレームは減少するものかもしれない。

やたらとプライドが高い弁護士の高村樹季。
一時間7万円という給料をもらう女性が、生産性も向上意欲も
湧かないような現場へと送られる。
畑違いの仕事にやる気はないが、勝ち負けを言われると黙って
居られない性分のようで、一度は業務に戻ったけれど、また
来週からはプライドを賭けて対峙していくことになるのだろう。

これまでのドラマでは教育委員会こそ融通が利かずに頭の固い
輩だと描かれる内容が多いけれど、このドラマでは徹底的に
仲裁役を務める役柄のようだ。

教育の現場にどっぷりと浸かっている三浦圭吾との考え方の
違いに戸惑いながらも問題を解決していくという段取りが用意
されている訳だが、初回を見た限りでは彼の主張も何処か
説得力が無く、理想論を掲げすぎているような気もする。
確かに高村が語っているように、教育の現場は、理想・理念
子供の気持ちに拘りすぎるような感じもした。

イマイチ、どの人物にも肩入れできるような登場人物が居ない
ので感情移入が難しいドラマだが、取りあえず日本の教育現場の
現状だと思ってドラマを興味深く見守ろうと思う。

高村樹季 … 米倉涼子
望月道夫 … 平岡祐太
三浦圭吾 … 佐々木蔵之介
小山和明 … 温水洋一
時任昭雄 … 風見しんご
加藤和臣 … 眞島秀和
相原エリサ … 大友みなみ
園部愛理 … 堀まゆみ
城山幸太郎 … 草刈正雄(特別出演)
田川龍之介 … 角野卓造

guest
渡辺秋枝 … 木村佳乃 (モンスターペアレント)
真田雅之 … 内田滋 (担任の教師)
和子 … 峯村リエ (クレームの親)
---  … 佐藤綾 (関西弁の教師)
三木  … 窪園純一 (校長)
鈴木  … 森富士夫 (校長)
佐伯  … 山崎栄 (副校長)
一郎  … 古澤裕介

平野勲人、マークチネリー、岡田謙、秋山美嘉、芦澤真樹
芦澤春杜、ストームライダー

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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