モンスターペアレント

脚本/荒井修子


第2話 学級閉鎖しろ


野口恵美子が指導する桜川小学校2年1組のクラスの授業中、
保護者の一人・川本好子がやってくる。担任の教師・野口恵美子
は対応に出ると、恵美子は小島純太が息子の川本正雄を
怪我させた張本人なのに、一人だけ授業に出ているのはおか
しいという。正雄は現在検査結果が出るまで授業を休んでいた。
一方高村は先日の仕事で負けたと言われたことが引っかかって
いた。最初からクライアントだとは思っていなかった。本気を
出せばモンスターなど簡単にあしらうことが出来ると自分に
言い聞かせる。城山からランチに誘われる。そこでこの前の
教育委員会の件で引き続き仕事の合間に担当する事を告げる。
今後こそは完璧な勝利をすると息巻いていた。
教育委員会に赴くと高村は現在問題になる学校の資料を読み
上げる。日曜日のある日児童公園で遊んでいた生徒の一人
川本正雄が怪我をした事で、一緒に遊んでいた小島純太が
保護者のやり玉に挙げられていた。保護者の言い分では、
担任の教師は生徒たちの事を365日・24時間気に掛けるべき
だという。学校の安全配慮に欠けた行為だとしてクレームを
かけ続けているのだという。
早速保護者と担任に会うために高村・三浦・望月の3人は
学校へと向かう。三浦は高村に対して今回はオブザーバー
であるので出しゃばるなと釘を刺した。

相変わらず保護者から出される理不尽な要求にイラっとさせ
られる事間違いない展開ではあるが、その理不尽さを助長
させた原因の一つに、教師の最初の対応が原因であるという
展開だった。

理想論を掲げる三浦と、白黒早く決着を付けたい高村の対立
の構図がこのドラマの核心だ。

三浦の理想論の中にもどこかイラっとさせられるものが有るが、
今回は話し合いで解決するという三浦の主張の正しさが実証
される展開だった。

最後に"赤ずきん"の演劇を見て、何気なく望月が語る言葉が
このドラマの問題を鋭く指摘している。

"自分の子供だけ良ければそれで良いのか?"と。

結局子供を守るという名目がモンスターペアレントに名分を
与えている訳で、その為には何をしても良いという勘違いを
生んでいる。今回のドラマの中でも、他の保護者に担任の
教師の名誉を毀損する内容がメールで出回ってしまった。

子供の事を心配するのならばもっと別の方法で訴えるべき
事が有るはずなのにその部分はそげ落ちて、担任の教師を
引きずり落とそうという人間同士のいがみ合いの部分ばかり
が抽出されてしまうのが、展開を醜くさせている要因だと
思う。

刑事物のドラマでも初動捜査こそ大切なモノだと実感させ
られるが、保護者のクレームに対しても有る意味最初の対応
こそ慎重にすべきモノなんだねと考えさせられる展開だった。

高村樹季 … 米倉涼子
望月道夫 … 平岡祐太
三浦圭吾 … 佐々木蔵之介
小山和明 … 温水洋一
時任昭雄 … 風見しんご
加藤和臣 … 眞島秀和
相原エリサ … 大友みなみ
園部愛理 … 堀まゆみ
城山幸太郎 … 草刈正雄(特別出演)
田川龍之介 … 角野卓造

guest
野口恵美子 - 紺野まひる (2-1の担任の教師)
川本好子 - 南野陽子 (モンスターペアレント)
川本英二 - 今井朋彦 (好子の旦那。仕事が忙しい)
川本正雄 - 宮城孔明 (好子の息子。先生が好き)
鈴木 - ト字たかお (校長先生。出張で逃げる)
---- - 桜岡あつこ (学年主任)
小島純太 - 為谷龍児 (正雄の友達)

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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