モンスターペアレント

脚本/荒井修子(1)(2)(4)、佐藤久美子(3)(5)

http://www.ktv.co.jp/mp/


第5話 カリスマ校長の秘密


川野小学校に通う子供・梶田拓人の母親・清美が学校に乗り
込んでくる。梶田は子供が担任の教師・加川信二に殴られた
と言い、謝罪を求める。
一方高村の元に望月から電話がある。ビジネス誌から取材の
依頼が有ったという。教員界に新しい風を吹き込む存在である
美人で有能な弁護士・高村の事を取材したいとの事。乗り気
ではない彼女もグラビア撮影が有ると言われて、ようやく重い
腰を上げる。
高村の元に教員委員会としての仕事も舞い込んでくる。
友竹真知子が校長を務める学校で一人の保護者のクレームが
後を絶たないという。友竹は民間企業から校長に就任した
珍しいケースで、学校の屋上を使い緑化プロジェクトなど
核心的なアイディアで教育界に新風を巻き込んでいるという。
高村と望月は、この日彼女が保護者に向けて"開かれた学校を
目指す"講演を行うというので、その様子を見に行く。
友竹の意見に熱狂的に支持する保護者が多いことに驚かされる
高村。
帰宅すると友竹は高村に個人的に会いに来る。
保護者のことで困っていることを告げられ、力を貸して欲しい
と頭を下げる。教育委員を通さず、彼女に直接協力を求める
友竹に、何処か同じ臭いを感じる高村は、喜んで協力を申し
出る。

今回は、これまでのドラマの設定の裏をつき、保護者=モンス
ターという先入観を巧みに利用して描いた話しだった。
今回の保護者・梶田清美の言動が異常に見えるように装い、
無理強いしているという事を至る場面で意図して描いていたし、
マスコミによる情報操作などで上手くドラマの本質や視聴者の
視線を交わしていたなという印象だ。

ただドラマを良く見ていると友竹真知子の態度の中には、
モンスターに対して攻め寄られて困った様子が見られず、常に
凜とした印象が有ったので、友竹が世論を誘導して自分の都合の
良い展開に持ち込むことには、別段驚きはなかった。

民間からやってきた校長という事で、企業で上に立つ
ものとしての論理を教育の現場の中でも持ち込んでみたり、
組織を優先する余り、個人としての存在をぞんざいに扱う
辺り、とても良くできた設定だったと思う。

子供の事を第一に考えているのは誰なのか。
これまでの展開ではクレームを付ける保護者側の態度の中には
子供が蔑ろにされている映像ばかりを見せられたが、今回は
全く逆の展開で、教師の側がそれを犯していたという点。

また優秀な弁護士である程、法律というものを利用して主張を
展開するのに対し、今回の高村の主張は弁護士としての発言では
なく、人間として有るべきものの存在を抽出したと言う点で、
とても面白いドラマになったと思う。
高村が主張の中に感情をもって正当性を主張するほどに、弁護士
としての有能さがそげ落ちてくる感じがするというのは、実に
皮肉なモノだ。今回同僚の加藤和臣がそれを意図してのことな
のか、忠告を与えていた辺り、とても出来過ぎな印象も残る。

またそんな主張を繰り広げるようになった途端、三浦圭吾が
高村に対して優しくなったというのも興味深いね。

そして何と言ってもドラマのサプライズは、事の真相を語るのが
宮澤美保さんだったこと。相変わらず綺麗でした。
http://miho.chips.jp/

高村樹季 … 米倉涼子
望月道夫 … 平岡祐太
三浦圭吾 … 佐々木蔵之介
小山和明 … 温水洋一
時任昭雄 … 風見しんご
加藤和臣 … 眞島秀和
相原エリサ … 大友みなみ
園部愛理 … 堀まゆみ
城山幸太郎 … 草刈正雄(特別出演)
田川龍之介 … 角野卓造

guest
友竹真知子 … 前田美波里 (校長)
梶田清美 … 猫背椿
梶田拓人 … 森久保大河
加川信二 … 古山憲太郎 (担任教師)
北村香織 … 宮澤美保
北村直也 … 富永凌平
保護者A … 明星真由美
保護者B … 野口かおる
保護者C … 田中良子
記者 … 西山聡
係員 … 岸和枝

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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