無理な恋愛

脚本/岡田惠和

http://www.ktv.co.jp/muri/


第9話 彼女の父は同じ年


彼らの歌は本当に元気が出る。絶対に来る。
発売日の前日、プロモに予算を掛けすぎだという社員達の不安を
打ち消すように立木は、自分の勘が外れたことが無い事を強調し、
もしも売れないときは責任を取ることを告げる。
そんな忙しい中で、かえでのTVドラマが始まると、部下達に
許可をもらい一時的に抜け出しTVに釘付けになる。
そのドラマをかえでの父親・幹二もソバ店で昼食を取りながら
娘の姿を自慢げに見ていた。
かえでらは、龍彦や律子、一郎らを招いて自宅でそのドラマを
見ていた。見終わるとすぐに立木から連絡があり、ドラマを
絶賛。その様子を見ていた達彦は、おっちゃんはかえでに
幸せをくれたのだなと呟く。
父親はかえでのアパートに行くが中から男性の声がするのを
見てお土産だけドアのぶにかけていき、自分は街へと繰り出す。
仕事が終わった立木は、明日の発売に興奮し眠れず、酒場へと
繰り出す。
幹二と同じ店に入った立木は、同世代の幹二と意気投合し、
互いに素性も分からないまま、話しに花を咲かす。
男として必要なのは仕事と恋だという立木は、現在年下の女性
に恋をしている事を告げる。幹二もまたかつてそんな事が有っ
たことを語り、より二人は親密になる。
別れ際に名刺を差し出し、互いの素性が分かると、全く見ず
知らずの関係ではないことが分かり、気まずい雰囲気になる。

これまで立木の圧倒的なアドバンテージの前に為す術なかった
達彦だが、ここにきて立場が逆転するような話しを演出した。

定年間近の立木にとって、一見色んなモノを持っているかに
思えるが、これから特典が増えることはなく、失うばかりの
立場だという彼。
それに対して若さ故の可能性を指摘し、これから色々と増える
事を告げる。

今回この言葉の意味の一端を具体的に描いた話しでもあり、
とても良くできていたと思う。

かえでの父・幹二と立木の絡みも面白い。
二人は当然素性も知らず語り合うが、後々かえでが立木の
事を紹介するまでの短い友情関係なのかと思わせた。
しかし今回あっさりと互いの素性を証して、本来立木の方に
立場の悪さが存在して居そうなモノを、幹二に恋愛話を
語らせることで、互いに同等の立場の人間である事を
描いて見せた。

父親に言われて、女優としての活動を本格的に始動する人も
いれば、恋人を支えるために女優という仕事を辞めようとする
ものも居る。二人で泣き合う姿は、同郷で友情関係を象徴する
と共に、年齢的な意味が加味されて、とても寂しくなるような
シーンの一つ。

このドラマはとても年齢というものを実感させるような作り
になっていますね。

立木正午 - 堺正章
長野かえで - 夏川結衣
東海林龍彦 - 徳井義実(チュートリアル)
水田一郎 - 福田充徳(チュートリアル)
田代和也 - 永田彬
小川圭介 - 尾美としのり
門田祥子 - 青木さやか
矢代文平 - 田中圭
久保律子 - 鈴木砂羽
小川朝子 - 小嶋陽菜(AKB48)
姫野まどか - スザンヌ
ケンちゃん - ムッシュかまやつ
小川光代 - 夏木マリ

guest
長野幹二 - 前田吟

ZUKAN、とろ

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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