七瀬ふたたび

原作/筒井康隆
脚本/伴一彦
演出/笠浦友愛(1・2・3回)・吉川邦夫(5・7・10回)
松浦善之助(4・6・8回)・陸田元一(9回)

http://www.nhk.or.jp/drama8/nanase/


第3話 悪魔のまなざし


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七瀬は客(西尾正人)の中に透視する事が出来る人が居ること
を知り、それを恒介に伝えるが彼は放っておけと言う。また
藤子から時間を見つけて研究室に来て欲しい事を言われたこと
を告げるが研究者は俺達を面白がっているだけだとして一切
関知しようはしなかった。

またしても西尾が店にやってくる。彼は経営コンサルトの仕事
をしている様で、隣には顧客の一人を連れていた。西尾は彼の
持つバッグの中身を透視し、その情報を元に金儲けすることを
考えていた。
そんな折り藤子自らが店にやってきて恒介と面会する。
天星電機では色んな視点から商品開発の研究を進めていたが
火田のチームは暴走していると思っていたことを正直に話す。
ノートには色んな実験の結果が書かれており、その中に7人の
未知能力を持つ子供のイニシャルが書かれているというもの。
恒介に名前が分からないかと尋ねるが、忘れたとして頑なに
協力を拒む姿勢を貫く。
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未知能力を不正に扱うものたちの出現に戸惑う話だった。

当然ながら良いことに使う人もいれば悪い事に利用する人も
居る。金儲けの為に使っている人と、自分の事を嘘つき呼ば
わりして非難した人たち・社会への復讐のために使う人がいる。

人間ならば当然考え得る能力の使い方に触れる話だった。
七瀬の服を透視するシーンなんて、男性ならば真っ先に思い
つく使い方だろうねと思いつつもちょっとドキドキした。

金を儲けているだけならばまだしも、わざわざ他人を不幸に
導こうとしている捻くれた考えの持ち主というのは厄介な
相手で、殺すわけにも行かないし、更正させるにもそんな
説教が通じるとは当然思えない。

一つの解決の鍵は能力が自然消失するという事。
そして藤子の研究によって無効化出来るように導くことが
出来るのかという点だ。
そういう意味で今回はその可能性に触れた話だったのかもしれ
ない。

しかしこういってはなんだか、店のオーナーの些細な幸せを
壊そうとするのは、やっている事が小さいというか、社会に
対する恨みではなく個人的な恨みの憂さ晴らしとなっている
感じだ。やるならばもっと大きい事をやれと言いたくなる
が、今回のドラマの流れは、能力者の特異性を描いたのと
同時に一般の人には能力の事を語っても当然ながら通じる
訳がないというもどかしさと、見方によっては普通の人間
とは隔絶した存在であるかのような話だったのかなと思う。

西尾正人が七瀬に対して仲間にならなければ能力がある事を
みんなにバラすというが、そういう流れならば当然、信じる
人など誰もいないわけで、単なる狂言としか受け止められな
いよね。

そんな能力に目をつけ彼女たちを遠目から眺めている刑事の
存在が実に不気味だ。

火田七瀬 ……… 蓮佛美沙子 (19) テレパス
岩淵恒介 ……… 塩谷瞬 (23) 予知能力者
高村健一 ……… 市川亀治郎 (38)
漁藤子 ……… 水野美紀 (35)
火田精一郎 ……… 小日向文世
増田店長 ……… 北村総一郎 (66)
真弓瑠璃 ……… 柳原可奈子 (19)

ヘンリー ……… 郭智博 (22)
広瀬朗 ……… 宮坂健太 (10) テレパス
江藤亮太 ……… 載寧龍二 (26)

西尾正人 ……… 今井朋彦
バーテン・田口 ……… 平林弘太朗
通り魔犯人 ……… チョウ・ソンハ
増田尚子 ……… 伊藤榮子
武田雄司 ……… 長谷川博己
須藤タケシ ……… 脇知弘

中平良夫、伊藤弘子、小野了、本城雄太郎、高瀬岬

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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