七瀬ふたたび

原作/筒井康隆
脚本/伴一彦
演出/笠浦友愛(1・2・3回)・吉川邦夫(5・7・10回)
松浦善之助(4・6・8回)・陸田元一(9回)

http://www.nhk.or.jp/drama8/nanase/


第4話 対決


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瑠璃は西尾と共に七瀬が働くバーにやってくる。
店長は西尾の姿を見て謝罪に来る。店を売る手筈になっていた
が妻の要望により急遽中止したこと。
帰宅すると七瀬は瑠璃から西尾と何を話し合ったのか尋ねる。
瑠璃は将来自分の店を持ったときの為にためになる話を聞いた
という。金の話をされなかったのか尋ね、気をつけるよう注意
を促す。
一方ヘンリーは念動力を手に入れ、空中浮遊の練習をする。
これにはトリックなど無く、超能力によって動かしている事を
告げる。店長は超能力者に対する不信感を露わにするが、客達
は同様のことを聞くと冗談だとして彼の話を真には受けなかっ
た。

仕事が終わった後恒介は七瀬に、彼にこんな力があるのか長年
一緒に居て分からなかったという。そして彼の能力が羨ましい
事を告げる。知りたくもない未来が見えるよりも念動力の方が
気が楽だということ。

一方恒介はかつて実験室で一緒の仲間だった小山さやかの元を
訪れる。既に結婚して家庭を持っていた彼女。今でも力はある
が極力封印しているという。恒介はあの時の研究、そして能力が
何なのかを調べており、さやかにも協力を仰ぐが、家族にそれ
がばれたときの影響を考えると無理だと告げる。ユリコと
マサアキの消息を尋ねると、武田雄司が知っているだろうとの
事。
早速彼の家を訪れると対応に出た女性から、彼は行方不明に
なっている事を聞かされる。居なくなる前に誰かに会わねば
ならないと言っていたというが・・・
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仲間になれと七瀬に迫る西尾正人。
断り続けると彼は七瀬の周囲にいる人間を脅かし、彼女を無理
矢理仲間に引き入れようとする。

私は服を透視して裸を見るだけだが、お前は人間が隠したい心を
裸にする。お前の方が悪い!って十分に西尾の方が悪さをして
いる現実を目の当たりにしている訳で、まるで幼稚な喧嘩を
見ているかのようだ。

ドラマとしては人間の心の中にある悪の部分を抽出し、疑心暗鬼
な状況を投げかけている訳だけど、七瀬の中に悪意に取れる
行動が一切見えてこない所がつらい。
このドラマに出てくる他人の心は実に誠実であり実直であり、
その心を読んでみたからと言って七瀬の中に悪い部分が
見えてこない。

ドラマとしてはそんな能力者が現実にいたと分かることによっ
て、一般人はどんな反応を示すのか。その影響力に能力者が
ある種怯えている様子が伺える。

七瀬の能力がどんどん強力になっており、携帯電話を通して
遠くにいる人物の心の中も読めるまでに至ってしまった。
更に彼女の存在が周りに影響を与え、次々と能力の無き者達に
力を与えている現実がある。

相変わらず刑事が張り付き回っているところが不気味な存在
なのだが、常識というものに武装された人間達が、この能力の
存在を静かに受け入れることが出来るのかというのが一番
興味深いところ。

ヘンリーが念動力を使って西尾正人を退治する流れは、こう
いう倒し方も有るのねと思った。
彼女が傍にいることによって能力が開花されたのならば、その
能力は七瀬のために使うのが正しいというヘンリーのセリフが
何処か納得してしまう展開だったね。

火田七瀬 ……… 蓮佛美沙子 (19) テレパス
岩淵恒介 ……… 塩谷瞬 (23) 予知能力者
高村健一 ……… 市川亀治郎 (38)
漁藤子 ……… 水野美紀 (35)
火田精一郎 ……… 小日向文世
増田店長 ……… 北村総一郎 (66)
真弓瑠璃 ……… 柳原可奈子 (19)

ヘンリー ……… 郭智博 (22)
広瀬朗 ……… 宮坂健太 (10) テレパス
江藤亮太 ……… 載寧龍二 (26)

西尾正人 ……… 今井朋彦
バーテン・田口 ……… 平林弘太朗
武田雄司 ……… 長谷川博己
須藤タケシ ……… 脇知弘
小山さやか ……… 東山麻美
武田の同居人 ……… 加來知恵
トシさん ……… 宇部洋之
秘書 ……… 伊藤弘子
秘書 ……… 中村優美
美容師 ……… 吉田夏海

高瀬岬、加藤知恵里

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