七瀬ふたたび

原作/筒井康隆
脚本/伴一彦
演出/笠浦友愛(1・2・3回)・吉川邦夫(5・7・10回)
松浦善之助(4・6・8回)・陸田元一(9回)

http://www.nhk.or.jp/drama8/nanase/


第5話 時をのぼる


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暫く東京を離れるという恒介。
その後一週間音沙汰無し。元気のない七瀬の姿を見て瑠璃は
心配する。七瀬は過去の事を思い出していた。自分の娘が
そうだったなんてと父親が悲しむ姿。どうしてこんな力を授か
ったのか、悪い存在なのか。七瀬は何一つ分かることのない
現実に一人苦しむ。

東泉大学では藤子が不思議な体験を目にしていた。
自転車と衝突する映像の後、時間が戻っていたのである。
一体どういう事なのか。危険が迫ると時間が戻っている事に
気がつく。それならば窓から落ちようとすれば時間が戻るのか
彼女は実験のために窓から飛び降りようとする。
高村刑事は朗に接触。事情を聞こうとする刑事に対し、読める
人だって辛いんだと思わず口走ってしまう。朗は七瀬達に
刑事に話してしまった事を告白するが、信じないだろうとして
朗を落ち着かせた。
その頃高村は七瀬の過去、そして家族関係について調べていた。
その後瑠璃にも接触する高村。

アルバイトしている七瀬に酔っぱらいが絡む。その姿を見て
いたヘンリーは能力を使って七瀬を助ける。七瀬はヘンリー
の帰宅を待って、助けてくれるのは嬉しいがもう能力は使わ
ないで欲しいことを告げる。先日の西尾の件を例に挙げ、
あの時私は思わず西尾は死ねば良いと思ってしまったという。
もしもヘンリーと同等の能力を持っていたとしたならば怪我
だけでは済まなかったであろう事を告げるのだった。
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研究者である漁藤子自信も能力に目覚めていく。
果たして吉と出るのか凶とでるのか。

何故藤子が能力に目覚めたのか。
開発プログラムの様なことを研究する過程で目覚めたのか。
ヘンリーは七瀬が近くにいないと能力が出ないようだが
藤子の場合はこれが当てはまらない。

彼女に備わった能力はどんなものなのかを描いた様な話だった。

自分に危機が訪れると時間が戻ってしまうと言う。
しかも自分ばかりでなく近くにいた七瀬も上手く引き込んで
時間が戻った。七瀬も戻らないとするならば完全に飛び降り
で死んでいたものね。

ドラマとしてはくせ者であり、一般市民の代表でもある刑事
の高村が彼女たちの近くを彷徨くことによって面白いスパイス
となっていることは言うまでもない。
今回は彼自身にこの特殊な環境というものを見せる意味合いが
有り、認識させたものだと思う。

船上で出会った井上薫の娘・ミサト。
彼女が身を投げて船から落ちたことにより、能力を使う見せ場
を作った。七瀬は能力が有ることに対して否定的な見解を
持つが、藤子は人を幸せにする活かし方の模索を訴えていた。
その為に今回は上手く能力使用に対する誘導を行ったと思う。

恒介が見つけた島の施設には何があるのか。
何故恒介はこの施設のことを知っていたのか。
父親が娘の能力の事を否定的に見ていた理由と、ノートを残して
居なくなった理由は何なのか。
能力者が居ることを知った高村が取る行動はどんなものなのか
など、様々な疑問の残る展開ではあるが、今後の期待も深まる
ばかりである。

火田七瀬 ……… 蓮佛美沙子 (19) テレパス
岩淵恒介 ……… 塩谷瞬 (23) 予知能力者
高村健一 ……… 市川亀治郎 (38)
漁藤子 ……… 水野美紀 (35)
火田精一郎 ……… 小日向文世
増田店長 ……… 北村総一郎 (66)
真弓瑠璃 ……… 柳原可奈子 (19)

ヘンリー ……… 郭智博 (22)
広瀬朗 ……… 宮坂健太 (10) テレパス
江藤亮太 ……… 載寧龍二 (26)

西尾正人 ……… 今井朋彦
バーテン・田口 ……… 平林弘太朗
増田尚子 ……… 伊藤榮子
井上薫 ……… 長谷川真弓
神崎助手 ……… 阿部翔平
井上ミサト ……… 宮本侑芽
火田七瀬・少女期役 ……… 高瀬岬

岩戸秀年、後藤公太、杉田直美、宮本雅文、青野光臣

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