七瀬ふたたび

原作/筒井康隆
脚本/伴一彦、真柴あずさ
演出/笠浦友愛(1・2・3回)・吉川邦夫(5・7・10回)
松浦善之助(4・6・8回)・陸田元一(9回)

http://www.nhk.or.jp/drama8/nanase/


第6話 父への鍵


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ミサトが海に落ちて意識不明。何とかしないといけないとする
藤子は七瀬に一緒に時空を飛んで過去に戻ろうと提案。
一緒に海に飛び込むと次の瞬間、二人の時間はミサトが転落
する前に戻る。
ミサトは母親から叱られている場面に遭遇。彼女の心を読むと
自分は居ない方が良いと感じていた。そして次の瞬間デッキへ
と出て海に飛び込もうとする。そんな彼女に七瀬は声をかけて
止める事になる。母親はミサトの事を愛していると告げる。
そしてその場にやってきた母親に愛しているのならばちゃんと
言ってやって欲しいと告げる。大切だと言ってきちんと抱きし
めてあげてと声をかけるとミサトは心の中で七瀬に"有難う"
と呟いた。

これで良かったのだろうか。人の運命を変えてしまった事を
藤子に話す。間違っているかどうかは今の私達には分からない
という藤子。そんな会話を高村は立ち聞きしていた。君たちに
は何か見えるのかと詰め寄ってくる。そして島には何の目的で
やってきたのか問いつめてくる。七瀬は私達にとって大切な
ものが見つかるかも知れないという事だけを告げ、それ以上の
言及は避ける。七瀬は高村の心を読むと、彼は事件が起こる前
に何かできないかと模索していることを知り、決して自分たち
に敵意を示しているのではないことを知る。

島に到着しミサトと別れ際に朗は母親の心から意味ありげな
事を聞く。この島に来る子供は珍しいが、3年前に子供の集団
をよく見かけたという。
島では恒介が待っていた。彼は藤子だけを呼んだのに沢山の
人が付いてきたことに驚く。何よりも高村が来ていることに
怪訝そうな表情。七瀬はそんな恒介に、思い切って高村に全て
話してみないかと提案する。先程敵意がないことを読んだこと
を告げるが、信じるわけがないとして七瀬の意見を一蹴。
高村は西尾が病院から居なくなったことを受け東京に戻る
事になった。

恒介に案内されてついた先には何かの施設があった。
買い手の付かない建物だという。中は研究室になっており、
天星電機の研究室とどこか似ているという施設。ここにある
道具だけで何をやっているのか分からないかと思い藤子を
読んだことを告げる。実験道具の一つを見て七瀬は父親と行っ
ていたネズミの実験を思い出すのだった。
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今回は父親の影を追う内に、七瀬の揺れる心情を描いた話だった。

話は七転八倒。父親は生きているのではないかと思ったり、
遺書を見て絶望的に思ってみたり。そんな中、最後に面白い
サプライズが有る。七瀬の心に直接語りかけてくる声。
何故この段階で会いに来ないのか気になるところだが、三日後
に家族旅行をした渓谷の山小屋で再会があるとの事で楽しみ
にしてみよう。

ドラマとしては能力を使うことによって未来を変えられるとい
う事実を描いたこと。そして謎のNPO組織によって超能力者の
心情やら生活環境が劇的に変化させられたという事実である。

怪しげな雰囲気の漂っていた刑事・高村だが、今回の展開で随分
柔らかなイメージを得たかな。
七瀬の心情を読む力によってドラマは劇的に面白くなっているが
恒介の心だけは読まないとするところにまた絶妙とも微妙とも
言えないものが存在していると思う。

西尾が失踪したことにより、何の企みが存在しているのか。
NPO団体との関係など疑ってしまうわけだが、それが恒介の
見ている七瀬の未来と深く関わり合うものなのか気になると
ころだ。

火田七瀬 ……… 蓮佛美沙子 (19) テレパス
岩淵恒介 ……… 塩谷瞬 (23) 予知能力者
高村健一 ……… 市川亀治郎 (38)
漁藤子 ……… 水野美紀 (35)
火田精一郎 ……… 小日向文世
増田店長 ……… 北村総一郎 (66)
真弓瑠璃 ……… 柳原可奈子 (19)

ヘンリー ……… 郭智博 (22)
広瀬朗 ……… 宮坂健太 (10) テレパス
江藤亮太 ……… 載寧龍二 (26)

西尾正人 ……… 今井朋彦
バーテン・田口 ……… 平林弘太朗
増田尚子 ……… 伊藤榮子
井上薫 ……… 長谷川真弓
神崎助手 ……… 阿部翔平
井上ミサト ……… 宮本侑芽
火田七瀬・少女期役 ……… 高瀬岬

佐倉尚吾 ……… 光石研

杉田直美、宮本雅文、青野光臣、芹沢侑子、北園心知

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