七瀬ふたたび

原作/筒井康隆
脚本/伴一彦、真柴あずさ
演出/笠浦友愛(1・2・3回)・吉川邦夫(5・7・10回)
松浦善之助(4・6・8回)・陸田元一(9回)

http://www.nhk.or.jp/drama8/nanase/


第8話 能力の真実


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父親が殺害されてから一週間、七瀬の姿が見えなくなる。
ヘンリーたちは恒介が何か事情を知っているものと思い詰め
寄る。朗も七瀬に能力を使って必死に呼びかけるが返信は無か
った。

七瀬はその頃実家に戻り母親の墓参りをすると同時に父親の
言葉を思い出す。七瀬は能力が特別抜き出ていた事。そして
父親からもう守れないといわれ能力者には近づかずに普通に
生活しろと告げられたこと。

高村は藤子の元へ行き現状を聞く。能力の研究が暴走し始めた
事。それが七瀬の父親を追い込んだ原因である事。高村は
先日ヘンリーの能力を目の当たりにしており、色んな事が急激
に起こったので頭の中で整理が付かないという。
火田を殺したのは間違いなく能力を悪用しようとしている連中
でそれが誰なのかが未だに掴めていなかった。

七瀬は店長に電話する。店長はみんなが心配して帰りを待って
居ることを語るが、それに反して七瀬は店を辞めさせてくれ
る様告げる。店長は一応長期休暇扱いにするのでいつでも遠慮
無く戻って欲しいと語る。

そんな七瀬の元に瑠璃がやってくる。瑠璃は彼女を見つけるや
否や平手打ちし心配していた事を告げ抱きつく。
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父親は何者かに殺害された。
父親が語っていた能力者の中でも七瀬が特別な存在だという
意図は何処にあるのか。また能力者を狙う者の正体は誰なのか。

七瀬が自分の本当の力について触れる話だった。
自分の存在が能力者たちの威力を増大させること。そして
相手の思考を読み取るだけでなく、相手に思考を送り込む事が
出来ると言うこと。

七瀬の持つ能力の怖さを上手く実感させる展開だった。
そしてそれが悪い方向へと導かれるとき、どれ程の影響力が
有るのかを考えさせられる内容だと思う。

七瀬の前に現れる人物が毎回恐い人ばかりで、どういう意図を
持って近づいてきているのか分からない不気味さが毎回この
ドラマに緊迫感を与えて展開を引き締めている。今回出てきた
佐倉も多分に漏れず実に焦臭い人物だ。

何故七瀬の居所が分かったのかという面に於いては流石に
違和感があったが、恒介たちに居場所を秘密にしていてハズが
いつの間にか瑠璃から朗を経由して恒介たちに繋がっていく辺り
は上手くできていたと思う。

ここに来て瑠璃の存在も実に上手く設定されている。
気がつけば七瀬の周りには能力者たちばかりだが、普通の人が
居ることで安心感を得ることが出来ること。勿論七瀬に能力が
有ると分かった後の瑠璃たちの態度も気になるところだが、
害のない人間として彼女の存在はとても心休まる存在となって
いる。

しかし火田精一郎は本当に亡くなったのだろうか?
亡くなったとするならば警察は動かないのか?
今回、拳銃を持って襲ってきたが、流石に銃が絡んでくると
何処か胡散臭い展開になるなと思った。

火田七瀬 ……… 蓮佛美沙子 (19) テレパス
岩淵恒介 ……… 塩谷瞬 (23) 予知能力者
高村健一 ……… 市川亀治郎 (38)
漁藤子 ……… 水野美紀 (35)
火田精一郎 ……… 小日向文世
増田店長 ……… 北村総一郎 (66)
真弓瑠璃 ……… 柳原可奈子 (19)

ヘンリー ……… 郭智博 (22)
広瀬朗 ……… 宮坂健太 (10) テレパス
江藤亮太 ……… 載寧龍二 (26)

西尾正人 ……… 今井朋彦
バーテン・田口 ……… 平林弘太朗
増田尚子 ……… 伊藤榮子
井上薫 ……… 長谷川真弓
神崎助手 ……… 阿部翔平
井上ミサト ……… 宮本侑芽
火田七瀬・少女期役 ……… 高瀬岬

佐倉尚吾 ……… 光石研
五味百合子 ……… 桜田聖子

八百屋の女性 ……… 阿知波悟美
通り魔 ……… チョウ・ソンハ
居酒屋の客 ……… 真島公平
居酒屋の客 ……… 佐々木一平
カフェの客 ……… 市瀬秀和
カフェの客 ……… 吹田早哉佳

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